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バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話【長文】
先輩でスゲー綺麗な人がいると気づいたのはその時だった。
だがまぁ、自分から声をかけられるほどの社交性と言ったものは無かったので眼で追ったりするような日が続いていたある日。
上司とともに取ってきたそれなりに大きな仕事で部署で飲みをすることになった。
俺は酔うとゆっくり一人の世界に浸るとか少人数で飲むのに適しているらしく、大人数で飲むのはどうも煩わしいと思ってしまう。
なわけで俺は隅っこの方で諸先輩から離れて煙草をふかしながらゆっくり飲んでいた。
「お疲れさま小島君、大丈夫?」
件の綺麗な先輩から声をかけられた。
隅で騒ぐこともなく飲む俺を心配しての事らしい。
「ああ、戸田さん(戸田恵梨香似なので)お疲れ様です。大丈夫ですよ。騒がしいのがあんまり得意じゃないので…」
自然俺の横に座り二人だけで話すこととなる。
書き溜め終了直前
「でも凄いね小島君。結構大きい話だったのに上司さんと一緒に取ってきたんでしょ?大変じゃない?」
「ほとんど上司さんの仕事ですよww自分は付き添いみたいなもので・・・大変じゃないといえば嘘になりますけど、充実してますね。」
そりゃあまりデカくない企業とはいえ社会人二年目で過大な評価で受けているのだから大変ではある。
入社試験も滑り込みのつもりが何の冗談か結構良かったりして上司からは大分絞られている。
だがまぁ大変な状況ならその分だけ他の事を考えなくていいのだからそれでいい。
我ながらまだ消化できないのかと半ば呆れ、同時に女々しいとも思う。
未だに残る心残りを大仰にジョッキをあおって酒と一緒に飲み干す。
「…1本良いですか?」
出来れば女性の前では吸いたくはないが習慣というのは中々直すのが難しい。
学生の頃に酒と一緒に吸って安上がりにしようと画策したものだがどうも金が稼げても貧乏性は抜けないらしい。
「意外、吸うんだね」
「昔から止めろっては言われてるんですけどねww」
「おいしいの?」
「不味いですよww試しに吸ってみます?」
箱ごと向けると一瞬悩んだような顔を見せてから「じゃあ…」といって灰を落としていたほとんど吸っていない俺の手の中のをかすめとって自分で吸い始める。
少し驚いて呆気に取れられる俺を尻目に戸田さんは大きく息を吸って、むせた。
「あーあーwwほら水ありますから・・・」
頼んでおいたお冷を渡して火傷をしないように戸田さんの手から煙草を受け取り灰皿に置く。
年上のはずなのだが世話の焼ける・・・
白石みたi・・・
一気に半分ほど残っていたジョッキを飲み干して次の注文をしておく。
「・・・かぁ~!!!」
「ちょ、小島君!?」
「ッ!・・・大丈夫です。それより、落ち着きましたか・・・」
「あ、うん、ごめんね・・・」
顔を赤らめて俺を見る戸田さん。
どこか懐かしい感覚と、既視感。
途端、心臓が軋みだす。
押さえつけるために頼んでおいた酒をまたあおってから灰皿に残るフィルターに口紅のついた煙草を手に取る。
「あ・・・」
小さく戸田さんが声を出した気がしたが気にせず口をつける。
いつもと変わらない。
微かなバニラの香りが鼻腔を満たす。
書き溜め終了の為ペースダウン。
「…小島君てさ、彼女いたりする?」
戸田さんは不思議そうな目で俺を見ながら言う。
「いないですよ?いるわけないじゃないですかww」
俺も俺で何故という疑問の眼で戸田さんを見る。
「いや、煙草吸ってる人って恋人出来るのかなって
・・・特に女性は嫌がる人多いでしょ?」
「まぁ、ですね。吸う奴が悪みたいな言い方をしますからね。」
特に今はと付け加えて小さくぼやく。
同時に吐き出された煙は店の空気に溶けていた。
「じゃあ今までは?」
「飲み会で後輩男性社員相手に恋話ですか?w女性陣でやってきたらどうです?」
「あーww私お局苦手で…」
何とはなしに笑って口寂しくてまた煙を吐く。
「で?いないの?」
「煙に巻けては無かったですかw」
小さく笑って軽く頭を掻く。
>>283
やね。
いや、それにしてもいじりがいがありすぎる
先輩だし今後の業務に支障をきたすのは流石に不味い。
今回はこのくらいで…
「…ない…」
「え?」
相変わらずゆっくりと紫煙を吐いて、
さていつ切り出そうという余裕を持っていられるのはここまでだった。
「いない、よ」
振り向くとがっつりと水を飲み干す戸田さんが目に入る。
「…すみません。少し酔ってるみたいです…」
「う、うん…」
微妙に気まずくなって会話もないまま並んで座る二人。
唯一の救いはそこからほぼ直後と言っていいタイミングで飲み会が終わったことだろう。
褒められたものではないのは自覚しているがこういったときの俺は妙にずる賢いところがある。
白石の事を思い出したとか、人恋しいとか、きっと酔いの勢いもあってだろう。
気が付けば口をついていた。
「今、戸田さんに彼氏いるのか教えてくれたらいいですよww」
そう聡い人でなくても言葉の裏が読めるような文章。
案の定戸田さんも読めたらしく酒気を帯びた顔に更に赤みが増した。
「そ、そういう冗談はよくないよ!?」
「冗談じゃ、ないっすよ?」
「え…え、え!?」
真顔で見つめる。
身を捩りながら戸田さんは首を振っている。
十割本気と言えば嘘だがどんなに言葉を尽くしても戸田さんにそういう感情が無かったといえば嘘になる。
それでもこれの目的はいじることだったのだが。
というかいつも通りに目で追っていると目が合う回数が多くなった。
そのたびに逸らされるので多少なりとダメージは負っていくのだが・・・
数日経ったある日。
上司から茶を淹れてこいと言われて給湯室にいくとまさしく茶を淹れていると戸田さんと出くわした。
「「あ」」
戸田さんは数秒視線をきょろきょろしてから、どうすることもなく作業を進めた。
「あの…」
「は、はい!?」
俺の方から声をかけると戸田さんの声がひっくり返った。
「俺、何か避けられてます?」
「いや、その…」
「この前のことは…その、すいませんでした…」
「あ…うん…」
「その、お詫びしたいんすけど…」
「い、良いよ別に!」
「いや、させてください。GWとか空いてますか?奢りますから」
「あ、う、っと…わ、分かりました…」
自分の中である程度けじめをつけたいという個人的な我儘でしかなかったが意外と押しに弱いようであっさりと申し出を受けてくれた。
というかかっぺの俺からしたら少々便利すぎると思う。
大衆居酒屋ではなく少し洒落た店が幾らでもある。
少し田舎にも分けてくれ。
その店は値段的にあまり来れず行きつけというほどではないまでも、
内装の落ち着き具合と喫煙が出来るという非常に気に入っている店だった。
「小島君…ここ高そうなんだけど…」
「ああ、気にしないでください。今日は俺出しますから」
「え!?悪いよ!?ていうか私先輩だし!」
「いえいえ、俺から誘ってますしww」
何度かこのやり取りを繰り返したが戸田さんは折れることがなかったので戸田さんが席を立った隙を見て会計を先に済ませた。
微妙に釈然としない戸田さんに、
「次は戸田さんがどこか連れて行ってください」というと「あんまり高くないところね」と笑われた。
といってもそんなに頻繁に行ったりはしない。
俺もそうだが戸田さんも余裕があるとは言い難いようであった。
何回か食事に行ったあとの帰り道。
家まで戸田さんを送っているときのことだった。
「今日もありがとね。逆方向なんでしょ?家。」
「ああ、まぁ、散歩だと思えば楽なもんですよw」
実際東京の距離なんぞ田舎育ちの俺からしたら大したものではない。
「でも小島君意外と一杯お店知ってるのね?なんかどこもちょっと高級な感じで。」
「上司さんに教えてもらってるだけですよ。一緒に行ったことはあんまりないんですが、
でもやっぱりああいうお店だとどうしても肩肘張っちゃうんですよねw」
「ああ、わかるなぁ。もっと落ち着いて飲める場所がいいよね。家みたいな。」
「ですねぇ・・・うちの周りとかは意外と静かなんですけど少し遠くて。」
「いいなぁ、今度小島君の家で飲もうか?」
「・・・え?」
「あ、ご、ごめん!い、嫌だよね!忘れて!」
「あ、いや、その、嫌じゃないんですが、
戸田さんさえ良ければ今度・・・来ます、か?」
尻切れトンボな文章。
嫌がられてもしょうがない。
しかし戸田さんは、
「じゃぁ、次は、小島君の、お家で・・・」
「は、はい・・・」
「あ!わ、わた、私ここまででいいから!じゃあね!」
「あ、お疲れさまで・・・」
皆まで聞かず逃げるようにマンションに入って行く戸田さん。
なんだかなぁ・・・
言葉にできない微妙な感情を覚えながらため息をついた。
本当にこれでいいのかなと口の中で言葉にする直前で口を閉じた。
大学で一人暮らしを始めればいつの間にかそれに慣れて、電気のついてない家に帰ることに慣れて、
横に居てくれる人がいることが当たり前になって、いなくなったことにすら慣れてしまう。
東京程そういったことを実感させてくれるところはないと思う。
壁の薄さに驚いたり、近隣住民との人づきあいの希薄さに驚いたりする。
それでも気づけばそれらにすら慣れている。
だが何事にも例外はあったりする。
何となくふとした瞬間にテレビでもつけて、芸人たちが笑う声が部屋に驚くほどに響く。
胸の奥がざわついて、漠然と不安な感情に陥る。
孤独とか人恋しさが沸き上がってくるあの感覚に未だに慣れることが出来なくて、
伊達『未だに俺に頼ってると?
いい加減もうちょい他に深い話出来る奴作れってwそれか独り立ちしろww』
俺「そういうなよ・・・それができないから困ってるんだろ?w」
言いあぐねるような空気を一瞬だけ出した後に、
『ホントに、いいのか?』
その言葉が小さいけど、確実に刺さった。
確かに、ある程度は吹っ切れた。
それはつまり、完全には吹っ切れていないってことで。
それなのに他に目を移していいのかと、こいつはそう言っている。
『まぁ他に目を向けること自体は悪くないことだとも思うんだよ。
そうでもしないとお前は何だかんだ引きずりそうだし。ったくめんどくさい』
悪かったな・・・
しかしどうするか・・・
勿論綺麗だと思う。
好意もある。
白石の時のように年齢で引っかかるということもない。
それでもなお、どこかで「いいのだろうか?」と自分の中で渦巻く何かがある。
決して女運良いお前に対して嫉妬してるとかじゃないからな?w』
「おい・・・まぁ分かったよ。進展あったら教える、じゃあな。」
通話が終わってしばらく何をするともなく呆然として、煙草に火をつける。
嗅ぎ慣れた匂いがして、少し考えを巡らせる。
吸い慣れていたはずなのに嗅ぎ慣れたその匂いが鼻の奥を刺激して目の奥がわずかにがツンとした。
>>293
ありがとう。
もう終盤だからどうか最後まで・・・
「お邪魔しまーす!」
「どうぞ、あんまり綺麗にしてないんですが。」
最上級に綺麗にしておいても建前ってものが日本には存在する。
適当に買ってきた酒類をこたつ机に置いて、俺が買っておいた食材の調理を始める。
「すみません。
今手早く何かつまみつくりますから座って待っててもらっていいですか?」
「あ、うん。小島君料理できるんだ…」
「一人暮らしして長いですしwwエンゲル係数が一番削れますからね。」
梅干しと長いもを冷蔵庫から取り出す。
長いもは細切りにして小皿に、梅干しも種を取って二つをそのまま合わせる。
適当料理としては自信がある酒のつまみだ。
名前なんぞないのだが。
「まぁどうぞ。おいしいかは保証しないんですけど。」
「あ、うん。ありがとう。」
「それじゃ・・・今週もお疲れさまでした。」
「「かんぱーい!」」
ささやかな声で乾杯をする。
外の喧騒がどこか遠い。
酒が入るとうるさいのは嫌になるあたり俺はきっと居酒屋は向いていないと思う。
戸田さんに書類を見てもらうタイミングがあった。
「相変わらず仕事早いね小島君。もう何年もやってるみたい。」
「いや、上司さんいないと全然で・・・」
書類のミスがないか見てもらいながらちょっとした雑談をする。
「あれ?戸田さん今日何か印象違いますね・・・メガネ変えました?」
「うん?うん・・・」
質問に生返事で返す戸田さん。
「髪もいっつも結ってるのに今日下ろしてますし。何かちょっと新鮮ですね・・・」
「うん・・・うん?どうしたのそんなに褒めて?なんかミスでもしたの?w」
「ああ、いえ、そういわけじゃ。」
「うん、特にミスはないかな?そうだ、小島君、今日大丈夫?」
「え、きょ、今日ですか?」
一応掃除くらいはしてあるが唐突なことで驚いた。
「うん、何か呑みたい気分なんだよねー。
金曜だし、宅飲みならお金もかからないじゃない?」
「まぁ、ですね…」
「よし、じゃあ今日で決まり!残業無いようにねー。」
女ってそんなものか、、、せつない
>>295
ちょい長くなるけど見てくれると分かるはず。
「小島君てさ、彼女いないって言ってたじゃない?」
飲み始めて一時間半ほどだろうか。
俺が是非にと地元の銘酒を勧めていると酔いが回ったのか戸田さんはこんな事をいいだした。
「まぁ今はそうですね・・・」
若干言いよどんだ。
酔ったとはいえこれは軽々に話したいことではない。
「にひひー私もいないって話したじゃない?二人ともフリーで小島君の家にいて、
しかもお互い酔ってる。何も起こらない方がおかしいわよねー?」
中々嫌な突き方をしてくる。
「酔ってるんだから間違いがあってもおかしくないよね?」と俺に免罪符を出すあたりが特にキツイ。
「正直に言って戸田さんは魅力的です。お綺麗ですし仕事も出来て性格も悪くないと思っています。
尊敬できる先輩です。」
「何々?おだてても出せるものなんて限られてるわよ?w」
「胸を寄せながら言わないでください・・・ですから、冗談でもそういうことを言うべきじゃないと思います。
俺なんかじゃなくもっといいあいてならいくらでも…」
「なに、それ・・・」
言い方を気にするほどの余裕は酔った頭には残っていなかったらしい。
戸田さんの眼が据わる。
>>296
ちょい長くなるけど見てくれると分かるはず。
「小島君てさ、彼女いないって言ってたじゃない?」
飲み始めて一時間半ほどだろうか。
俺が是非にと地元の銘酒を勧めていると酔いが回ったのか戸田さんはこんな事をいいだした。
「まぁ今はそうですね・・・」
若干言いよどんだ。
酔ったとはいえこれは軽々に話したいことではない。
「にひひー私もいないって話したじゃない?二人ともフリーで小島君の家にいて、
しかもお互い酔ってる。何も起こらない方がおかしいわよねー?」
中々嫌な突き方をしてくる。
「酔ってるんだから間違いがあってもおかしくないよね?」と俺に免罪符を出すあたりが特にキツイ。
「正直に言って戸田さんは魅力的です。お綺麗ですし仕事も出来て性格も悪くないと思っています。
尊敬できる先輩です。」
「何々?おだてても出せるものなんて限られてるわよ?w」
「胸を寄せながら言わないでください・・・ですから、冗談でもそういうことを言うべきじゃないと思います。
俺なんかじゃなくもっといいあいてならいくらでも…」
「なに、それ・・・」
言い方を気にするほどの余裕は酔った頭には残っていなかったらしい。
戸田さんの眼が据わる。
>>299
何故に?w
「あの、戸田さん、これ以上、はちょっと・・・」
「小島君はしたくないの?い・い・こ・とww」
耳元で囁かれる。
鳥肌が立つ。
同時に心がざわめく。
「・・・これ以上は流石に、我慢できないですよ?」
「きゃーこわーいww」
「そういいながら脱がせないでください!」
・・・ああ、もう好きにしてくれ。
思考を停止させながらなけなしに残った理性で俺から襲うといったことをしなかったのが小さな矜持だろうか。
身を乗り出して俺に迫る。
戸田さんの顔が目の前に。
心拍数が上がる。
「誰のせいでこんなこと言ってると思ってるの?分かってる?
こんな歳になってからこんなこというのなんて恥ずかしいけど、
しょうがないじゃない好きになっちゃったんだもん!」
言葉と同時に戸田さんの唇が近づいてくる。
スローモーションのような感覚。
避けようと思えば避けられたはずなのに、体が動かなかった。
何年かぶりにするキスは、白石のとはまた違った感触がした。
白石の薄い唇とはまた違って、少し厚い。
ほんの数秒で離れる。
戸田さんはそのまま俺を見てはにかむ。
「へへ、しちゃった、ね・・・」
可愛い。
「・・・俺でいいんですか?さっきも言いましたけど、もっと相応しい人が・・・ッ!」
指で唇を抑えられる。
無粋。
ただそれだけを目で訴え、そのまま何とも言えない目つきで俺を見つめてくる。
俺をとがめるような、それでいてどこか興奮したような不思議な眼。
そっとその手を取って下ろす。
「小島君はあんまり積極的じゃないけど付き合ってたら変わるかもしれないじゃない。」
戸田さんはあっけらかんとそう言って笑った。
今日もその戸田さんからの提案で「デートしよ!デート!」と言われてきたのは
「水族館ですか…」
「何か来たくなったんだよねー。小島君は無いかな?」
水族館に来るたびに思い出すとかまででも無いが何となく近づかなくはなっていた。
別に日常生活で来ることもないから大して考えていなかったが。
「…そうですね…あんまり水族館とかは、
特に自分は地方から出てきた人間ですから休日一緒に過ごす人間がいないんですよねw」
「そっか…じゃあ、」
これからは一緒に居よう?
そう言って一歩前を行く戸田さんがクルリと振り向き俺に微笑む。
笑顔で応えた。
心の底から笑顔で応えようとはした。
一々何かを見て驚いたようにはしゃぐ表情が、ほんの一歩だけ俺の前を歩く姿が、
ちょっとした仕草が、心を揺さぶる。
「戸田さん…」
「んー?どしたの?」
「…いえ、楽しいですか?」
「うん!とっても!」
何を言おうとしているのだ俺は。
喉元まで上がってきた言葉を嚥下する。
「そうですか、よかったですww」
笑えているのだろうか。
果たして俺は、心の底から。
>>304
ありがとうやで。
面白いか分からんけどまぁ見てって。
「ん?」
歩いていく方向に小さく人だかりができている。
東京に来てからは面倒なことがいろいろあるからと人が集まるところには近づかないようにというのを決めていたが、
耳を澄ますと風に乗って音が聞こえてくる。
ギターの音色だ。
どうやらストリートパフォーマンスのようだ。
そういや白石と会った時もたまたまギターの音に誘われたんだったか。
今となって何もかも懐かしいと思いながら何の気なしに足はその人だかりに向いていく。
酔狂だなぁ。
自嘲的に自分をなじる。
彼女をつくるなんて見切りをつけたはずなのに、
自分の選択に後悔したりなんかしているからこんなに尾を引いているのだ。
俺も俺で社会人なのだから新しい出会いに目を向ければいいじゃないか。
人だかりの最後尾にたどり着く。
聞き馴染みのあるギターの音。
どこかで聞いた曲だ。
曲名を思い出す。
PRINCESS PRINCESSの『M』だ。
今まできっちり定時上がりかましていたのにそのときからはサービス残業をするようになった。
その日も数時間のサービス残業を終えた俺はもうすっかり慣れた電車内での吊革につかまりながらの、
ちょっとした居眠りをしていた。
が、それがいけなかった。
立ち寝にしては長々と寝ていたらしい。
気付けば乗り換えの駅から二駅も通過していた。
金曜日なので明日に影響するということもないが、
乗り過ごしたことに対する苛立ちを覚えてとりあえず電車から降り煙草を吸いに行こうとした。
手前勝手な話だが俺は煙草の煙をかけられるのがどうも苦手だ。
だが自分が吸うのはあまり我慢したくないという何とも我儘な考えを持っている。
その駅の分煙ルームは生憎とすし詰め状態であり、
そんな中では吸いたくないと駅からも出て少し歩き人通りの少ない方に歩こうとした。
>>307
ごめんな(3回目)
「ま、まって!」
声が聞こえる。
待てない。
待てるわけがない。
何故?
分からない。
ただ、会っちゃいけないと俺の中の何かが本能的に告げている。
改札まであと数メートルと言ったところで袖口を掴まれた。
まるで縫い付けられてようにそこから動けなくなった。
「ま、待って、って言ってるじゃん…」
振り向けない。
振り向いて、彼女の顔を見て、どんな表情で、何て言えば良い。
何事もないような顔でもして見せればいいのか?
振り返る瞬間のそんな考えからだろうか、
振り向きつつ俺は至って普通な顔をして見せた。
「おー白石!久しぶりだな!元気だった、か…」
何だ。
出来るではないか。
まるで何もなかったかのように。
そう思って、振り向いて。
口元まで出かかっていた言葉を無くす。
今にも泣きそうな白石の顔を見て、それ以上声が出なかった。
聞こえてくる歌声はどこか、耳に懐かしい。
トゲのない声で、バラードの曲がよく合う。
俯き加減で演奏する姿。
俺の位置から顔は確認できない。
しかし彼女の手の中で奏でられている、街頭の光が良く映える赤いギター。
見間違える訳なんて無かったのだ。
ここ何年かで一番見てきた異性だった。
動悸がする。
息苦しさを覚える。
現実を受け止めきれない俺の頭と目の前にしかし厳然としてある事実を噛みしめて反芻し、
また混乱する。
「…どうもありがとうございました!」
気付けば曲が終わった。
どうやら最後の曲らしく数人のギャラリーはささやかな拍手を送ると誰ともなしに散っていった。
俺を残したまま。
呆然とする。
棒立ちのままギターを片付ける彼女を見ていると気づいたように顔を上げ、
眼鏡越しの彼女と視線が絡む。
「…うそ…」
彼女の―白石の手が止まった。
途端、動いたのは俺の方だった。
弾かれるように足が動き踵を返して駅の方に向かい始める。
「ひっく、お、おにいさ、ご、ごめ、ごめん…」
「え、あ、ちょ!」
挙動不審に辺りを見回す。
何か通りがかっていく人の視線がすごく痛い。
というか写メを取られたり「修羅場!?」とかいう嬉々とした女性同士の声が聞こえたりするのが一番つらい!
「と、とりあえずこっち…!」
白石の手を引いて再び駅から出ていく。
駅員からしたらいい迷惑だろうが俺は俺で人にかまっている余裕はない。
白石は抵抗らしい抵抗を見せないで俺に手を引かれたまま先程の白石の演奏場所までついて二人で座る。
未だに鼻を啜る白石。
間が持たなくなりそうで俺は考えなしに白石をその場に残して自動販売機まで走った。
「…ほれ…」
「…ありがと…」
買ってきたのがブラックと微糖の缶コーヒーの二択だったあたり、どうやら俺も混乱しているらしい。
本来甘党の白石がブラックコーヒーを受け取って、口をつけてから
「苦ぁ…」と呟いたあたり白石も動揺はしていると見た。
>>311
サンクス
「……」
「……」
白石は何も語らない。
それでも俺は追及はしない。
強く聞いても仕方ないところだ。
幾らでも待つつもりだった。
そんなとき突然電話が鳴った。
「あ、っと、わり!ちょっと!」
白石から離れて画面を見る。
戸田さんだ。
「…お疲れ様です…」
『あ、お疲れ~!小島君今日大丈夫かな?
小島君の家の近くで飲んでたんだけどこのまま小島君の家よろうかと思って~』
何ともない言葉だった。
それなのに、その言葉に心の一部が疼いて、どこかに後ろめたさを感じてしまった。
「あー、すみません。今は家に居なくて…」
『あ、いいよ別に、12時過ぎとかに行っていい~?』
「…分かりました。じゃあその時間に…」
電話を切る。
「…誰から?」
ぽつりと、白石がこぼすように俺に問う。
「…会社の同僚…」
嘘は言っていないのに、良心が痛む。
果たして俺は誰のことを考えてこのことを言ったのだろう。
戸田さんなのか、白石なのか。
それとも…
日付越えちゃうな・・・
そこから数分は何を言えば良いか互いが考える時間になった。
「元気だったか。」「久しぶり。」「調子は?」
聞きたいことも聞き方も、二人ともおそらく幾らでもあったと思う。
空いてしまった二年という時間は少し長すぎたらしい。
「白石、眼鏡なんかかけるんだな。」
こんなどうでもいいことを一番最初に口に出した。
「…去年あたりから…」
「そっか…」
再び沈黙。
話題を考えはするものの、似つかわしくなさ過ぎて口を噤む。
駅からここまでろくに顔も見ていない。
「こっち、来てたんだね。」
「あ、ああ。」
三度、間が空く。
だが三度目の間はすぐに消えた。
「あ、あのさ!」
意を決して出した俺の声が予想外にデカく、白石が驚いて跳ねるのが判る。
顔を背けたまま俺は続ける。
「この際だから聞いておくけどさ、結局…俺が何か悪かった…?」
今更なのは分かっている。
それでも聞いておきたかった。
きっと白石から踏ん切りをつけられないのもそこに要因があるのではないかと思う。
自虐的にそんなことを考えるのすらおこがましいと自戒する。
「すまん、今日は用事で来たからこれで…」
鞄を持って立ち上がり歩調も速く白石から遠ざかる。
「お、お兄さん!」
背後から呼ばれて驚きとともに振り返る。
「また、ここに来る…?」
初めての時と同じように、今度は聞く側が逆になって、
白石は俺を見てそういった。
「…分かんねぇけど、ここで演奏してたらまた会えるかも。」
そう言って俺の方が耐えきれなくなって歩き出した。
>>315
日付越えたけど出来れば最後まで・・・
何卒・・・
生活音がする。
嗅ぎ慣れたコーヒーの香り。
どこか懐かしさを覚えて目を覚ます。
キッチンに誰かいる。
俺に背を向けたままいる彼女が目に入る。
「・・・白石?」
確認するように声に出してみる。
「あ、小島君。起きた?」
「戸田さん。」
そうだ。
頭が追いついてきた。
社会人生活のうちにいつの間にか嗅ぎ慣れてしまったインスタントコーヒーの匂い。
大学生活の頃とは違う部屋。
目覚めて来れば当たり前の事なのに、そこに白石がいないことに喪失感を覚える。
何をそんな事を・・・
俺には戸田さんが・・・
「ごめんね。勝手にお風呂借りちゃった。
いまコーヒー淹れたところだったんだけど小島君もいる?」
「はい、いただきます。」
振り払うように声を出す。
一人で考えるとそのまま渦に飲まれそうだ。
「ただいま~!」
「いや、あなたの家ではないんですが…」
「いいじゃな~い!別荘みたいなものよ~!」
それなら俺にとって戸田さんの家は別荘になるのだろうか。
馬鹿なことを考えてるうちに戸田さんは居間のソファーに横になった。
「あーあー、皺になりますよ?ほら、脱いでくださいって。」
「やーん!脱がせたいの?ww」
「酔っぱらいを襲う趣味はありません…水持ってきますね」
「んー」
「あー寝ないでくださいって…ダメか…」
少し目を離していると安らかな寝息が聞こえ始めた。
弱ったな…
ホントに皺になるしうちには戸田さんの部屋着みたいなものはないに等しい。
「…脱がせるのか…」
誰ともなしに呟く。
正当な理由を得ても微妙に後ろめたい。
出来るだけ見ないようにしながら下着だけ残して脱がせ、ベッド迄運ぶ。
流石に二人で寝るには少々手狭で仕方ないと電気を消してソファーで眼を閉じる。
瞳の裏側に映ったのは先程目の端で捉えた戸田さんの下着姿ではなく、
数年ぶりに会った白石の泣き顔だった。
そう言えば初めてだった。
白石が泣いているところを見たのは。
あれだけ一緒に居たのに一度も見たことがなかった。
見せないようにしていたのかな。
無理してたのかな。
違う。
おそらく無理をさせていたのだ。
色々と考えて思考がグルグルと渦を巻き始め意識がそのままその渦に巻き込まれていった。
>>318
大丈夫。
絶対良い人おるから。
8月の中旬に入った。
生まれも育ちも北国の俺にはきつ過ぎる二度目の夏の真っ盛りに
「暇だから」という大層な理由でアポもなしに伊達が遊びに来やがった。
「お前は本当に~…連絡位寄越してから来いっての!こっちは今日も仕事あんだぞ!?」
「この前聞いた時は明日から休みだって聞いたからさ。
六年も大学だと刺激の一つや二つ必要なんだよww」
「うるせーよ!電柱裏に潜んでる女に刺されろ!」
「俺が死んだらお前困るだろ?ww」
「あーうっせ!飲みに行くぞ!」
「へいへいww」
戸田さんとも行った店について飲んでから酔いが回り出したころに伊達が口を開いた。
「で?最近はどうなのよ?その戸田さんって人とは?」
「別に・・・」
「小島さぁ…別にって言って何もない何てあるわけないだろ・・・」
何も言わずに杯をあおる。
「この前彼シャツされた。」
「お前の事一回くらい殴っても罰当たんないよな俺?ww」
「お前殴ると痛いからやだww」
そう言うと伊達はお前もだろと言って笑った。
黙ってただあおる。
数分だったのか数十秒だったのか、伊達が口を開いた。
「お前の中で戸田さんは何がダメなんだ?一緒にいて楽しくないのか?」
「・・・楽しいよ。」
吐き捨てるように言ってしまったのは中途半端に戸田さんを相手にしている自分に対する自己嫌悪とか、
白石に会ってからみっともなく揺れている自分の芯の無さに耐え兼ねてだった。
「はい?って何ですかその恰好!?」
コーヒーを持ってきた戸田さんの服装に完全に眠気が吹き飛ぶ。
「小島君が脱がせるから服がないんだよ~。
どこに置いたのか分かんなくて仕方ないから小島君のワイシャツ借りたんだけど、似合う?ww」
そう、戸田さんの格好は俗にいう彼シャツの状態。
ちょうどショーツの辺りが見えなくなっている。
中々芸術的な脚線美だ。
エ口いとかっていうよりはこう…
そそる…
「小島君、目つきエッチぃww」
「あ…すみません…」
逃げるように目線を逸らしてコーヒーを啜る。
朝っぱらから眼福ではあるが寝起きには些か刺激が強すぎる。
「今日どうしよっか?特に予定ないんだよね~」
「俺もですよ。まぁゆっくり過ごしま…っと!」
突然戸田さんがくっ付いてくる。
「今日一日こうしてるのもいいかもねぇ~ww」
「悪くは、ないですかね」
そう答えてコーヒーを覗き込む。
頭の中と感情が全く一致しない。
黒々としたコーヒーはまるで泥のように濁っていた。
飲み慣れていたはずなのにいつもよりずっと苦く感じた。
>>321
あらかじめ言っておくと直接的なエ口は無いからごめんな。
楽しくないとは言わない。
しかし心の底からそうであるともいえない。
「まだあきらめきれてないんじゃないように見えるよ?」
呟くような伊達の声。
心臓にかかっていた重石の重さが一気に増える。
「白石に会った…」
「…どこで?」
微かに驚いたらしいが話を切ることもなく俺を促す。
何だかんだと俺も言いたかったらしい。
伊達が聞き手に回ると俺はここ最近の事をほぼ全て語った。
「なぁ小島さ、お前はどうしたいの?」
「…俺?」
首肯してから伊達は続ける。
「お前が何と思っていようが今の状態ってさ、
言い方は悪いかもだけどわざわざ白石ちゃんに気持たすようなこと言って戸田さんもキープしてる状態じゃん?
お前が明確にどうしたいっていうのが見えない。
目的地がないからお前はフラフラしてるんじゃないのか?」
>>322
あらかじめ言っておくと直接的なエ口は無いからごめんな。
楽しくないとは言わない。
しかし心の底からそうであるともいえない。
「まだあきらめきれてないんじゃないように見えるよ?」
呟くような伊達の声。
心臓にかかっていた重石の重さが一気に増える。
「白石に会った…」
「…どこで?」
微かに驚いたらしいが話を切ることもなく俺を促す。
何だかんだと俺も言いたかったらしい。
伊達が聞き手に回ると俺はここ最近の事をほぼ全て語った。
「なぁ小島さ、お前はどうしたいの?」
「…俺?」
首肯してから伊達は続ける。
「お前が何と思っていようが今の状態ってさ、
言い方は悪いかもだけどわざわざ白石ちゃんに気持たすようなこと言って戸田さんもキープしてる状態じゃん?
お前が明確にどうしたいっていうのが見えない。
目的地がないからお前はフラフラしてるんじゃないのか?」
ケジメ付くまで、書き殴れな~
>>324
ありがとう。
結末が分かってるのに俺も緊張し始めたw
ま、それが悪いかどうかはお前が判断しろ。
全てを聞いてその上でも笑うような口調で伊達は続ける。
言葉には良くも悪くも棘がない。
否定も肯定も出来ない。
したくなかった。
どうしたって自分がどうにかしなきゃいけない問題から目を背けようとしている自分に気づいて、
その上で自分が更に嫌いになる。
事実を突きつけられてぐうの音も出ない。
口を開くと何か理由をつけて反論してしまいそうだった。
言葉を吐き出さないために煙草を咥えて、火をつける。
紫煙はそうであるのが当たり前と言ったようにいくらか漂った後フッと消えていった。
それが心底羨ましかった。
やはり白石に会わない事には進まないんじゃないかと結論が出た。
といっても白石の今の連絡先は知らないので前回あった駅のあの場所に行くしかない。
人間ある程度の目標があると活力が出るものでサービス残業もいつもの数倍のスピードで済ませて電車に飛び乗った。
ある程度予想はしていたことだったが白石の姿はなかった。
まぁ約束しているわけでも無し、当然と言えば至極当然だ。
それでも一瞬見ていないからと言って「さぁ帰ろう!」とはならず、
とりあえず一服位しようかと座って、ニュースサイトを横目で流しながら二本目の煙草を吸い始めた時だった。
「…お兄さん?」
聞きなれていた声がした。
何となく前回あった時の様に逃げ出しそうになったが、
俺から会いにきといてそりゃないだろうといつもより深く煙草の煙を吸ってより一層腰を据える。
奇跡の連続が起こる人生もあるんだな。俺にはない。小説として出てたらアニメ化とかありそうな中身
数日後にはまとめられるだろうけどいいん?
まぁその時はその時でw
>>329
サンクス!
俺は俺でお前が幸せならって思ってたのに…ホントに勝手じゃねーか!
俺だっていまだに好きだからこんなに引きずって、悩んでるんだろうが!
それを今更…
「勝手ばっかりだね私…お兄さんにあった時にさ、
もう一回って思ったりしたんだけど…迷惑だよねww」
ホントに勝手だよ。
勝手に進めんなよ。
勝手に迷惑なんて言うなよ。
俺は俺で色々あるんだよ。
ちょっと待てよ!
「すまん…ちょっと、時間くれ。」
「分かってる。電話の人でしょ。」
疑問符すらつかないその言葉がスッと白石の口から出てきた。
「先に謝っておくね…私の我儘で、たぶんどんな結論になってもお兄さん傷つくと思う。」
それでも、
そう言って白石は続ける。
「私、お兄さんの事諦めきれないみたい…」
美しさを内包した儚い笑みで白石は俺に悲しげに微笑んだ。
遅筆で申し訳ない・・・
休憩入れたいけど待たせるの悪いし・・・
出来るだけ頑張って書き殴ります。
「その、ね。大した理由があった訳じゃないの。
・・・音楽で生きていくって決めたけど大学通ってるわけだし、覚悟とかそういうのが必要だと思って。
お兄さんがいると、どうしても頼っちゃいそうで、だから。」
だから連絡もしないようにして、
それだけじゃ自分の中では足りなかったのだろうから別れようなんて言ったんだろう。
こいつは昔からそうだ。
素直かと思えば恥ずかしがり屋で、イタズラ好きだけど耐性がなくて、
でも最初っから、変わらず強いままだ。
強くあろうとしているし人の力を借りようとしない。
無性にそのことに腹が立った。
確かに頼りなかったと思う。
それでも俺はお前の彼氏なのだから頼ってくれても良かったじゃないか。
出来ることに限度くらいあるだろうけどお前が必要としたときに横にくらいいてやれるのに。
少しくらい支えてやれたかもしれないのに。
「ごめんね。今更。自分勝手だよね…」
どんな時より悲しそうに白石は笑う。
「何だよ、それ…」
楽しく読んでます
はやく続き詠みたいです
まだ読んでくれてたのか!
ありがとう!
気にはなるがな(苦笑)
youのペースでEんやで
>>333
良い人過ぎて泣くから止めてよw
ここまでこの調子で終始書いてきたから大分酷評尽くめだったんだったから余計に・・・
何となく不服な感じもしながら缶コーヒーを飲み干して席に戻ろうとする。
「後で看病しに行くけど必要なものある?」
「いいですってwwホントに大丈夫ですからww」
「ダメ!」
「また上司命令ですか?」
「今回は恋人として許可しませんww」
全く他意が見えない笑顔で戸田さんは俺にそう言う。
そしてこんな顔をされて拒否が出来ない俺も俺だと思う。
白石の事もあるというのに、
ガラスに映る自分の顔がいつもよりずっと嫌いになった。
考えすぎてぐちゃぐちゃになった脳みそを辛うじて稼働させ仕事をこなしていたんじゃ当然残業位するだろう。
一度休憩を兼ねて一服しに席を立つと休憩所にたまたま戸田さんの顔があった。
「ねぇ小島君疲れてる?」
ドキッとした。
彼女というのは相手の事をよく見るのだろうか。
本当のことなど言えず少し口ごもりながら応える。
「どうでしょう?少し残業続きですし…ってどうしたんですか?深刻な顔して?」
「顔色悪いよ?早めに帰ったら?」
「いや、まだ大丈夫ですってww」
「だめ、上司命令。」
「…分かりました。」
恵まれた人生だな
確かにそうだな。
ジャムさんみたいな人とか伊達みたいな友達とか戸田さんとか白石とか人には恵まれてると思う。
恵まれすぎてると思う。
>>338
だね・・・
難しいよね・・・
「小島君は寝てて!私適当に何か作るから!食欲ある?おかゆでいい?」
俺が帰宅してからそう時間が経たずに戸田さんは家に来て忙しなく動き始めた。
俺はと言えば何か知らんがベッドから動くなと言われて背こうものなら厳しい目線で「動かない!」と訴えられる。
そんなもので睨まれてはむやみに動くことも出来ず、仕方なしに天井とにらめっこを始めた。
ここ最近は時間があればどうするべきかを考える。
白石のこと、戸田さんの事。
あんまり長く待たせるのも白石に悪い。
かといって戸田さんに好意がないわけじゃない。
見極めなければ、より大事な人を。
「小島君?聞いてる?」
「うぇ!?」
見つめる相手が急に戸田さんにシフトする。
間近で俺の顔を覗き込んだ形だ。
「悩みでもあるの?顔色もだけど最近ぼーっとしてる事多いよね?」
よく見ている。
本当によく見ている。
「んーん。おかゆ出来たから声かけたんだけど…ホントに聞いてなかった?大丈夫?」
「あ、ああ。すみません。ありがとうございます…」
わざわざ持ってきてくれたようだ。
「おいしいかは分からないけれど…」
そうはいったものの器をこちらに渡す気配のない戸田さん。
「あの?」
「いいから!一回やってみたかったんだよねーwwはい、あーんww」
食わない訳にはいくまい。
せっかく作ってくれたのだ。
羞恥を覚えながら戸田さんの料理を平らげる。
「そういえば計ってなかったけど熱はある?」
「あんまりそんな気はしませんけど…体温計どこにいったかな…」
「あ、いいよ。ちょっとごめんね…」
不意に戸田さんの手が額に近づく。
今でも思う。
何故俺はこの手を払ったのだろうか。
考えるより先に体が動いていた。
>>342
ありがとう!
なるはやで書くんで!
朝日が差し始めて眩しさで目覚める。
「朝か…」
誰ともなしに呟いて体を起こす。
出社の準備しなくちゃ…
のそのそと起き上がりながら時計を見る。
朝十一時過ぎ。
完全に寝坊だ。
「ウッソだろオイ!!!」
居間の方に行くと戸田さんの姿が無かった。
どうやら時計がずれたとかではないらしい。
働かない頭で急いで連絡を入れようとしてスマホを見てみるとメールの着信が一件だけ。
送り主は戸田さん。
『小島君体調悪そうだから今日は休みって伝えておくのでゆっくり休んでください。』
とりあえず無断欠勤には変わりないので上司に直電する。
出ないものかと思ったが意外にも一回目の数コール目ですんなり出た。
ちょっと早めの昼休みでも取っていたのだろうか。
「あ、す、すみません!」
たぶん戸田さんよりも俺の方が慌てていたと思う。
自分でも原因不明のままいきなり手を払いのけたのだから。
「あ、ご、ごめんね!嫌だったよね!ベタベタして!」
「あ、違!」
「私、隣の部屋にいるから、何かあったら言ってね。」
「あ…」
弁明する間もなく戸田さんは寝室の扉を閉じて居間に行ってしまった。
「…何やってんだ俺…」
声に出さずにいられなかった。
情けなさとか不甲斐なさとか、そんな感情がないまぜになる。
俺のために尽くしてくれてるっていうのに。
自分勝手だ。
明確な原因も分からないまま自分にいら立って一時間くらいは眠ることが出来なかった。
それでも疲れていたのは本当らしくいつの間にか眠りに落ちていた。
昨日の夜と今朝と帰ってから50回くらい誕しか生日おめでとう言えなかった
来年はもっと言うぞ
>>345
十分多いけど何回も言ってあげたいよねw
それから十日ばかり経った。
戸田さんからは避けられている節がある。
理由というと思い当たるものが一つしかない。
やはり反射的に手を払ってしまったことだろう。
主に、というか全面的に俺が悪いのだから俺から話すべきなのだろうが取り付く島もない。
そうもなると毛ほどしか存在しなくても確かにあった自信とかってものが揺らぐ。
『おお!小島!大丈夫か!?』
緊張しながら上司に掛けると上司の方が驚いたような声を上げた。
「申し訳ありません!無断欠勤なんて…」
『いや、それより身体は大丈夫か?
戸田君からは残業中に青い顔してたから流石に帰したと聞いていたが…』
字面だと思いのほか体調が酷いように見える。
確かに事実なのだが。
「あ、はい!お陰様で!すみません!今からでも出社しま…」
『あー!やめろやめろ!今日は良いからゆっくり休め!明日も休みだろ?体壊されたら元も子もない!』
「しかし資料がまだ…」
『最低限あるからいい!お前には私だけじゃなくて部長とかも期待してるんだから無理するな。分かったな?』
「は、はい…」
相変わらず過大な評価である。
もう一度念入りに『来るな』と『早く治せ』を言われて電話が切られる。
平日に唐突に休みをもらうなんて思っていなくて少し驚いたがもう一つしなければならないことを思いつく。
戸田さんに連絡せねば。
しかし戸田さんは昼休みにも就業後にも掴まらず、仕方なしにメールだけで済ませた。
>>347
ありがとう!
踏ん張るで!
俺という人間は本当に弱い人間だと思う。
おそらく依存体質なのだろう。
高校時代から今まで伊達に依存し、大学では白石に、今は戸田さん。
きっと無条件で肯定してくれる人間が欲しくて、寂しいのが怖いのだ。
そしてこんな分析まがいのことをするのもきっと、
戸田さんが少し距離を置いた状況で白石に依存する言い訳なのだろう。
本当に醜くて、賢しい男だ。
こうやって自己嫌悪するくせに、それでも白石に会いにいつもの場所に足が向いているのが特に最悪だ。
「来るなら連絡してよ…」
「…すまん…」
そうは言いながら白石の新しい連絡先は聞いていない。
「全く…毎回2、30分待ってから帰るんだから。」
些かふくれっ面の白石はそう言っていじっていたギターをしまって俺を見た。
「ちょっと歩こ?ね?」
俺は本当に弱いと思う。
自分から言うべきなのに、欲しい言葉を言ってくれる白石に甘えている。
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