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最初から「俺マザコンです!片親だしマザコンなんで!」とアピールしてる変な人だった。
本人いわく「いつ彼女ができてもいいように。マザコンのせいで二回ふられてるんで、今度は最初から俺がマザコンとわかってて、それでもいいと言う人と付き合いたい」だと。
マザコンどうこうはともかく、普通に面白くて話も合う人なのでメアドを交換し、たまに集団で遊びに行ったり、ご飯を食べたりした。
二人きりで会うことはなかった。
知り合ってから二年くらいして「そういえば彼氏はいないの」と聞かれた。
うちは私が学生のとき父をなくし、母ひとり子ひとりで、母はその時点で何度か大病していた。
だから「彼氏どころじゃないな。私もマザコンだから」と言った。
旦那は「そっかーマザコン同士、きっと気があうな」となぜかいきなり「結婚して」と言ってきた。
マザコン同士じゃうまくいかないよ、と言って断った。
さらに二年くらいして、旦那の母親がうちの母と同じ病気になった。
入院生活や付き添いのアドバイスしたり、お見まいに行ったり、洗濯物を引き受けたりしてるうち、親しくなった。
でもそれだけだった。
翌年、うちの母の具合がまた悪くなった。
旦那が「車出すよ」とか「いつでも頼って」と申し出てくれたが、礼だけ言っておいた。
でも見まいに来てくれた。
退院のときも来てくれた。
そのうち、うちの母と向こうの母が仲良くなった。
「いつ結婚するの」とか「×子(私)ちゃんがお嫁に来てくれれば安心」とか言われるようになった。
でも「マザコン同士じゃうまくいきませんって」とヘラヘラ答えた。
その年、上司の紹介で見合いした。相手は本物の、いわゆる典型的なマザコンだった。
今の若い人には通じないだろうけど、ドラマで「冬彦さん」という強烈なマザコンキャラがいて
そんな感じの「ママの言うことは絶対、逆らうな」なマザコンだった。
旦那とは違う、いわゆる「たおぱんぱ」な人だった。
後日旦那に「いやー最近見合いしたんだけどさ」と世間話で報告したら
「真性を見た」という本題にたどりつく前に泣かれて、走って逃げられた。
その夜「お見合いは断ってください、俺はマザコンだが、今は母ときみと選べないくらいきみが好き」とメールが来た。
「見合いは断る。私もマザコンだが、それでもいいなら付き合うよ」と返事した。
その後話し合い、お互いの母は実子メインで介護にあたること、時に母>恋人になっても文句はないこと
等々を取決め、結婚。
お互いの母親と同居し四人暮らし開始。
出会ってから八年で結婚。
その後六年のうちに、母親が二人とも亡くなり、今年のお正月はふたりの母の遺骨といっしょに新婚旅行に行ってきます。
ぜんぜん新婚じゃないし、もうおっさんとおばはんだけど(笑)
でも、幸せでしたし、今も幸せです。母ふたりも幸せだったと思う。
一般的なマザコンってママの言う事は絶対!とかたおぱんぱな奴だと思う。
ママの言う事が絶対ってのと大切にする、では全然違う。そう考えるとこの二人ってマザコンと違うわ。
私もそう思う。
この2人の場合マザコンというより特殊な過程環境の影響で過剰に親孝行なだけかな。
配偶者以上に母親を気にかけるって言うとよく思わない人も多いと思うけど、その人のバックグラウンド時代では仕方ないのかなと思う。
他人視点ではどれだけ母親が相手に尽くしてくれたかってわからないもんね。