父も地元の元不良だったけど先代に拾われて更生して職人になった1人
先代の指導力のおかげか職人たちの技術力は高く評価されててそれなりに順調だったけど、職人肌が経営する会社にありがちなどんぶり勘定のせいで景気が悪くなると倒産の危機に陥った
そこで会社を建て直したのが初代社長の息子である二代目社長
この人は叩き上げの初代と違って有名大学の工学部出でベンチャーの幹部もやってたという秀才でどんぶり勘定を改善して経営を建て直し、
さらに氷河期に有名大学の学生でも中々就職できなかった状況を利用し、大学時代のコネを使って有名大学の工学部からメカオタクの学生をたくさん引っ張って来た
2代目社長が厳選したメカオタクたちは優秀かつモチベーションも高かったために成長が早く、さらに高度な新技術もどんどん取り入れて受注できる仕事を増やしていった
その結果会社の収益は高まり平凡な町工場から小さいながらも高い先端技術を持つ優良企業へと成長したそうだった
それだけだと単なる下町の中小企業のサクセスストーリーなんだけど、その切り替わり時期やその少し前に入社した若い低学歴の元不良たちは優秀な高学歴の新人たちにすぐに追い抜かれ、そして先端技術をマスターできるだけの頭もなくて居場所を無くして会社を去っていったとか
そしてそれ以降は地元の低学歴を雇用することはなくなり、高学歴で優秀な人を厳選して雇うようになって、地元の雇用に貢献するという理念は消えてしまったそうだった
ベテランの中にはそれに反発する人もいたけど、二代目は彼らの給料を上げたり高学歴の新人たちがベテランをきちんと尊敬するような空気を作って上手いこと懐柔してしまったとか
父としては給料も大幅に上がり、やりがいのある高度な仕事ができるようになったし意外と高学歴の新人たちは素直に自分を尊敬してくれるしで悪いことはなかったけど、「自分のような行き場の無かった若者を拾い上げてくれるような職場ではなくなってしまったことが寂しい」とのことだった
低学歴だけど根性のある元不良が努力して高学歴の頭でっかちなエリートを見返す、というドラマっぽい話にはならなかったか
まあでもそれが現実なんだろうね
特にメカオタクの工学部生ならエリートであっても実際に手を動かす現場仕事も嫌がらないだろうし
元の理念も素晴らしいとは思うけど、ぶっちゃけ一工場がやることじゃない気もする
潰れたら従業員の生活守ることもできないし、2代目は素晴らしい