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【名作】J(´ー`)し「たかし、部屋から出てきて……お願い……」
(‘A`)「うるせぇんだよババア!」
J( ‘ー`)し「どうしても出てきてくれないの?」
(‘A`)「そう言ってんだろ!死ねよババア!」
J( ‘ー`)し「たかし……」
(‘A`)「だからうるせぇんだよ!話しかけんじゃねえ!」
J( ‘ー`)し「……ごめんなさい……」スタスタ
(‘A`)「ったく……。さて、オ○二ーでも……」シコシコ
~翌日~
(‘A`)「おいババア!飯持ってこいや!」
シーーーン
(‘A`)「おい!ババア!無視すんなよ!おい!」
シーーーン
(‘A`)「ババアどこいきやがった……」
(‘A`)「仕方ねえ。帰ってくるまで部屋に戻るかな」
しかし夜になっても、J( ‘ー`)し は帰宅しなかった……
(‘A`)「……くそ……腹減った……」
(‘A`)「冷蔵庫の中を荒らしてみるか……」
ガチャ
(‘A`)「――ッ!?な、なんだよこれ!」
(‘A`)「なんもねえ!なんもねえじゃん!」
(‘A`)「え!?え!?嘘だろ!?」ガサガサ
(‘A`)「飯どころか菓子もねえ!ジュースも!」
(‘A`)「どういうことだよ……」
(‘A`)「一昨日夜中にあさった時には、確かに菓子があったのに……」
(‘A`)(ババアが食べたのか?いやでも、あいつ菓子食わねえし……)
(‘A`)(……まさか……)
(‘A`)「あいつ、出ていきやがった!?」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……ちょっと待て。これ、チャンスじゃね?」
(‘A`)「うるさいババア消えて、悠々自適な独り暮らしってやつじゃね?」
(‘A`)「そうだよ!最高じゃん!もう邪魔されねえじゃん!」
(‘A`)「ヒャッホーー!!やったぜ俺!ウザイ奴消えてラッキー!」
(‘A`)「今からなんすっかなwwwwwwアニメ見てぇwwwwwwエ口ゲーしてぇwwwwww2ちゃんしてぇwwwwww」
(‘A`)「ポテチとコーラ食いまくればマズイ飯も食わなくて済むしwwwwwwクソ余裕だわwwwwww」
(‘A`)「ポテチとwwwwwwコーラでwwwwwwポテチwwwwwwコーラwwwwww……」
(‘A`)「……いや、食い物ねえじゃん……」
(‘A`)「やべ……マジで腹へって死にそう……」
(‘A`)「仕方ねえ……ババアも帰ってくるかもわかんねえし、自分で買いに行くか……」
(‘A`)「ええと、金どっかねえかな……。クソが……金ぐらい置いとけよババア……ホントつかえねえ……」ガサガサ
(‘A`)「お?おおお!?」
(‘A`)「引き出しに封筒発見wwwwww中身は……ウホ!金じゃん!万札クソ入ってるわwwwwww」
(‘A`)「……20万!大金アザーースwwwwww」
(‘A`)「後でエ口ゲー買いに行こwwwwwwババアいなくてもクソ余裕だわwwwwww」
(‘A`)「まずは寿司でも食うかなwwwwwwそんでゲーム買いに行ってwwwwwwフィギア買ってwwwwww」スタスタ
三日後――
(‘A`)「やべ……金尽きたわ……」
(‘A`)「あとどんくらいあるんだろ……」ガサガサ
(‘A`)「……さ、三千円……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……クソが。もっと置いとけよババアが。可愛い息子が飯食えねえだろが……」
(‘A`)(……ババア、帰ってこねえな……)
(‘A`)「……」
(‘A`)「……ま、別にいいけど。だって俺大人だし?一人で買い物行けるし?自立してるし?」
(‘A`)「ババアいなくても余裕余裕wwwwwwいざとなりゃ家の物売りまくればいいしwwwwww」
(‘A`)「うはwwwwww人生クソ余裕wwwwww」
ピンポーーーン
(‘A`)「……あ?誰か来たのか?」
(‘A`)「ああ……めんどくせえし無視無視」
ピンポーーーン
ピンポーーーン
(‘A`)「……しつけえな……帰れよクソが……」
ピンポーーーン
ピンポーーーン
ピンポーーーン
ピンポーーーン
(‘A`)「……え?しつこくね?」
――ドンドンドンドン!!
(‘A`)「――ッ!?」ビクゥッ!
(*`Д´)「おいクォラ!いるのは分かっとんのぞ!はよ金返さんかい!」ドンドンドンドン!!
(‘A`)「え!?え!?なにこれ!?」
(*`Д´)「金だけ借りていい度胸やねえかい!なんやったら内臓さばいてええんやぞ!」ドンドンドンドン!!
(‘A`)「ヒィィッ!」
(*`Д´)「お前居留守使うとはええ度胸やのぉ!なんやったら窓割って入ってええんやぞ!必要措置ってやつや!」
(‘A`)「え!?ちょ、ちょ……!」
(*`Д´)「はい5ォ!4!3……!」
(‘A`)「ちょ、ちょっと待っ――!」ダダダダ
ガチャ!!
(*`Д´)「なんややっぱりおったんかボケぇ!はよ金返せ――!」
(‘A`)「……」ブルブル
(*`Д´)「……お前誰や?ババアの坊主か?」
(‘A`)「……ハ,ハイ……」
(*`Д´)「アアッ!?」
(‘A`)「ハ、ハイィィ!息子です!ハイ!」
(*`Д´)「ちっ……。だったら最初からはっきり言わんかい」
(‘A`)「ス,スミマセン……」
(*`Д´)「アアッ!?なんやて!?」
(‘A`)「ス ミ マ セ ン デ シ タ ァ ァ !!」
(*`Д´)「まあええ。おい坊主。オカンはどこや」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「おい。答えんかい」
(‘A`)「……ワカリマセン」
(*`Д´)「アアッ!?」
(‘A`)「す、すみません!数日前から帰ってないんです!僕も分からないんです!」
(*`Д´)「……帰ってきてないんか?」
(‘A`)「は、はい……」
(*`Д´)「……そうか。とうとう出ていったんか……」
(‘A`)「?」
(*`Д´)「……まあええ。とにかく、借りたもんは返しや」
(‘A`)「へ?」
(‘A`)「ぼ、僕が?」
(*`Д´)「当たり前やろ。母ちゃんが返せん借金は、息子が払うんが道理やろ」
(‘A`)「そ、そんな……」
(*`Д´)「まあいきなり全額言うても無理やろうし、そもそも今日は20万だけっちゅう約束やったしな」
(‘A`)「……え?」
(*`Д´)「母ちゃんから20万預かってるやろ?それ渡しぃ」
(‘A`)「……あ」
(‘A`)(ま、ましゃか……)
(‘A`)(……あの金!?)
(*`Д´)「おう、どうしたん。はよ渡さんかい」
(‘A`)「……」ガクガク
(*`Д´)「……」
(*`Д´)「……預かって、ないんか?」
(‘A`)「――ッ!?」ビクゥッ!!
(*`Д´)「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……ハ,ハイ」
(*`Д´)「……本当やろうなぁ?」ギロッ
(‘A`)「……!」ガクブルガクブル
(*`Д´)「……」
(‘A`)「……」ガクブルガクブル
(*`Д´)「……ちょっと、家ん中入るわ」ザッ――
(‘A`)「!?」
(‘A`)「い、いやちょっと……」
(*`Д´)「なんや?いかんのか?」ギロッ
(‘A`)「い、いえ。そういうわけでは……」
(*`Д´)「……」キョロキョロ
(‘A`)「……」
(*`Д´)「おい。お前の部屋、どこや」
(‘A`)「――ッ!」ビクゥッ!!
(*`Д´)「……どこ、や?」
(‘A`)「……一階の……その……」
(*`Д´)「……」ジトーー
(‘A`)「……」ビクビク
(*`Д´)「……」ジトーー
(‘A`)「……」ビクビク
(‘A`)「……チラッ」
(*`Д´)「……ほう。二階、やな?」
(‘A`)「――ッ!?」ギクッッ!
(*`Д´)「お邪魔すんで」スタスタ
(‘A`)「ちょ、ちょっと……!」
ガチャ――
(*`Д´)「……」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……なんやこれ。フィギアに……ゲームに……エ口マンガに……」
(‘A`)「……エ、エ口マンガではなく、同人……」
(*`Д´)「アアッ!?」
(‘A`)「ヒィィッ!な、なんでもありません!」
(*`Д´)「……くっさいわ。センズリこいた臭いしかせんわ」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……報われんなぁ」ボソッ
(‘A`)「へ?」
(*`Д´)「なんでもないわ。……お前、とんだバカ息子やな。いや、クズや。クズ息子や」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「お前、そもそもいくつや」
(‘A`)「……サ……」
(*`Д´)「あ?」
(‘A`)「……サ,サンジュウイチ…ス……」
(*`Д´)「31?」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……あかんわ。そら、あかんわ」
(*`Д´)「身なり見ればわかる。お前仕事もしとらんやろ?それどころか、したことすらないやろ?」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「働きもせんと、寄生虫みたいに住み着いて、金使って……」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……まあ、よくある話やけどな。それでも、お前あかんわ。……クズやわ……」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……とりあえず、どうすんのや?」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「返す金あるんか?」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「答えんかボケェ!!」クワッ!!
(‘A`)「あ、ありません!お金ありません!」
(*`Д´)「……そうや。なら、しゃあないな」
(‘A`)「……ホッ」
(*`Д´)「……」ガサガサ
(‘A`)「?」
(*`Д´)「お前もせんかい。お前のやろ」
(‘A`)「……え?」
(*`Д´)「売りにいくんや。これだけのフィギアとかゲームとか。全部売ればけっこうな値段なるやろ」
(‘A`)「…………え゛!?」
(*`Д´)「本来なら自分でやらせたいんやけど、俺のシノギやしな。しゃあないから手伝ったる。感謝せえよ?」
(‘A`)「で、でも売るのはちょっと……」
(*`Д´)「……あ?だったらええんやぞ?このまま連れてくだけやぞ?」
(‘A`)「……つ、連れてく……?」ゴクリ
(*`Д´)「知っとるか?……人間の臓器、高ぉ売れるんやで?」
(‘A`)「……!」ビクビク
(*`Д´)「……で?なんやて?」ゴゴゴゴゴゴ
(‘A`)「……ウリマス……」
数時間後――
(*`Д´)「いやぁけっこうな値段で売れたなぁwwwwww」
(*`Д´)「たかが人形思っとったけど、まさか全部で30万いくとは思わんかったwwwwww」
(‘A`)「……」ショボーーン
(*`Д´)「ほんなら、金貰っとくわ。残りは返すで」スッ
(‘A`)「は、はい……ん?」
(‘A`)「……あ、あの……3万ですか?」
(*`Д´)「おう。とっときや」
(‘A`)「いや……返済額は20万だから……10万じゃ……」
(*`Д´)「手数料や。わざわざ車乗っけて、店まで連れてきたんやで?当たり前やろ」
(‘A`)「そ、そんな……」
(*`Д´)「お前、わかっとる思うけどな」
(‘A`)「?」
(*`Д´)「これは、今月分や。来月は来月で、きっちり20万払うんやで?」
(‘A`)「……え゛!?」
(*`Д´)「当たり前やろ。こっちも慈善事業しとるわけじゃないんやぞ?返すもんは返すんが常識やろ」
(‘A`)「で、でも……お金が……」
(*`Д´)「やったら死ぬ気で働かんかい。バイトでも派遣でも、死ぬ気でやらんかい」
(‘A`)「そ、そんな……」
(*`Д´)「出来る出来んの話やない。やれや。今まで甘えまくっとったしわ寄せや。出来んなら……分かっとるやろ?海の底は冷たいんやで?」
(‘A`)「……!」ビクビク
(*`Д´)「ほな、頼むで」ブォォォォン……
(‘A`)「……」
(‘A`)「……う、嘘だろ……?」
自宅――
(‘A`)「……」
(‘A`)「……来月から……毎月……20万……」
(‘A`)「……その次の月も……次も……次も……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……クソがああああああ!」
(‘A`)「あのババア!俺に借金押し付けやがった!」
(‘A`)「クソババア!死ねよ!死んじまえよ!」
(‘A`)「ババア!ババアァァァァァ!」
(‘A`)「はぁ……はぁ……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……どうしよう……明日から、どうしよう……」
(‘A`)「……飯もない。金もない。あるのは、借金……」
(‘A`)「いくらあるんだよ。いつまで返せばいいんだよ……」
(‘A`)「……クソ……」
翌月――
ピンポーーーン
(*`Д´)「……」
……ギィィ
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……よう。久しぶりやのぉ」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「安心せぃ。金回収に来たんとちゃうわ」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……聞いたで?お前、捕まったんやて?」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「アホやな……食うもん困って万引きとは……。働くどころか、ますます働けんくしてどないするんや」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「そもそもお前なぁ――」
(‘A`)「――俺だって頑張ったんだよぉ!」
(*`Д´)「……あ?」
(‘A`)「バイトの面接もした!店に行って土下座もした!でもダメなんだよ!みんなダメなんだよ!」
(*`Д´)「……」
(‘A`)「どこ行っても不採用で!鼻で笑われて!ばかにされんだよ!どうしろって言うんだよ!」
(*`Д´)「……それが、社会やで」
(‘A`)「……!」
(*`Д´)「舐めてかかると、気付いたら追い込まれる。八方塞がりや。今まで守ってくれてたもんのデカさは、なくならんと分からん。思っとってもうまくいかん。糞みたいな世の中。それが社会なんやで」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「普通は、もっとはよ気付くんや。そんで、備えるんや。理不尽なことにな。それがお前は遅すぎたんや。ただそれだけのことなんやで」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「お前の母ちゃんは、そんな糞みたいな世の中で、お前を育ててたんやで。下げたくもない頭下げて、後ろ指さされて、小馬鹿にされて……」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「言っとくがな、お前の比やないんやで?母ちゃんが通った道はの。底辺中の底辺。糞の中の糞。そんな地べたを這いつくばりながらも、金稼ぎよったんやぞ?」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「それなのに、お前はなんや。アホみたいにアホみたいなことに金使って、挙げ句母ちゃんを罵倒して。ちょっと行き詰まったら人のせいにして。俺は頑張った。俺はやった。……アホか。今までさぼっとった分の利子すらならんわ」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「ようは舐めすぎなんよ。社会をな。お前が思っとる以上に世の中は、糞で、残酷で、非情で、おまけに、露骨なんやで」
(‘A`)「……うぅ……うぅ……」ブワッ
(*`Д´)「……とにかく、働く当てはなさそうやな」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……しゃあない。着いてきや」
(‘A`)「――ッ!?」ビクッ
(*`Д´)「安心せい。別に内臓さばこうとは思わん。それに、その豚みたいな体じゃろくな値段はつかんやろうし」
(‘A`)「……ホッ」
(*`Д´)「ただな。体で払ってもらうのは、同じやぞ?」
(‘A`)「……へ?」
某所――
(‘A`)「……」
……アンアン……アンアン……
(‘A`)「……」モンモン
スタスタ……
( ̄ヘ ̄)「……」
(‘A`)「……アリガトウゴザイマシター」
ガラッ
(*`Д´)「おう、やってんな」
(‘A`)「……あ、ども」
(*`Д´)「なんやその気の抜けた返事は。せっかく仕事先紹介してやったっちゅーのに」
(‘A`)「……いや、でも……」
(*`Д´)「ハハハ!DTには風.俗の受付はキツいか!」
(‘A`)「////」
(*`Д´)「お前ついとったな。前の受付が雲隠れしやがってよ。ちょうど後任を探してたんや。そういいツキは大事にせなあかんよ」
(‘A`)「は、はぁ……」
(‘A`)「……でも、いいんですか?」
(*`Д´)「なにがや?」
(‘A`)「なんか、僕みたいな奴を勝手に雇って……」
(*`Д´)「まあお前はクソやけどな。こっちも人手が欲しかった。おまけにお前の借金も回収出来て、お前の稼ぎにもなる。一石二鳥……いや、一石三鳥なんや」
(‘A`)「はぁ……」
???「……お疲れ様でした~」
(‘A`)「――ッ!」
(*`Д´)「おうリナ。今日はあがりか?」
(*бωб)「はい!今日はあがりでーす!」
(*`Д´)「そうか。また頼むで」
(*бωб)「分かりました~!失礼しま~す!」スタスタ
(‘A`)「……」
(‘A`)(……リナさん……////)
(‘A`)「……」ポー
(*`Д´)「……い……おい……」
(‘A`)「……」ポー
(*`Д´)「……おい!聞いとんのか!?」
(‘A`)「――ッ!?は、はい!」
(*`Д´)「……たく」
(‘A`)「……すみません」
(*`Д´)「……」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……お前、惚れたか?」
(‘A`)「――ッ!?」ビクッ
(*`Д´)「そうか……。でもな、リナはやめとけ」
(‘A`)「へ?」
(*`Д´)「人には色々あるんやで。この裏方稼業は、特にな……」
(‘A`)「……?」
(‘A`)「……」
(‘A`)(……ババア、全然帰ってこねえな……)
(‘A`)(……マジで、捨てられたのかな……)
(*бωб)「たかしさんこんにちは~☆」
(‘A`)「あ!リナさん!///」
(*бωб)「今日も受付大変ですね」
(‘A`)「あ……いや……その……///」
(*бωб)「たかしさん!顔真っ赤~!」
(‘A`)「///」
(*бωб)「たかしさん、なんか可愛いですね☆」
(‘A`)「――ッ!?」
(*бωб)「今日よろしくお願いしま~す☆」スタスタ
(‘A`)「……」
(‘A`)「……可愛い……俺が……リナさん……///」
閉店前――
(‘A`)「……」
(*бωб)「お疲れ様でした~☆」
(‘A`)「――ッ!り、リナさん!」
(*бωб)「たかしさんもお疲れ様でした☆」
(‘A`)「あ、はい!お疲れ様でした!」
(*бωб)「もう、なんで敬語なんですか?私より年上じゃないですかーwwwwww」
(‘A`)「は、はあ……」
(*бωб)「……でも、たかしさんみたいな人って素敵だな。純粋そうで……」
(‘A`)「え――!?///」
(*бωб)「……なーんて、ね☆お疲れ様でした!」スタスタ
(‘A`)「お、お疲れ様!」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)(……まさか、とは思ってたけど……間違いねえ……)
(‘A`)「……リナは、俺に惚れてやがる!」クワッ
イカれてやがるぜ
翌日――
(*бωб)「おはようございまーす☆」
(‘A`)「……やぁ、リナ」
(*бωб)「え?あ、はい!おはようございます☆」
(‘A`)「リナ……今日も可愛いな」キリッ
(*бωб)「えぇ!?どうしたんですか急に……」
(‘A`)「なに、本当にそう思っただけだ……」キリリッ
(*бωб)「は、はぁ……」
(‘A`)「仕事大変だろうけどさ……俺は、ここにいるからよ……」キリリリッ
(*бωб)「あ……はい……。受付ですしね……」
(‘A`)「頑張れよ、リナ」キリリリリリッ
(*бωб)「は、はい☆今日もよろしくお願いします☆」スタスタ
(‘A`)「……」
(‘A`)「……決まった……」ニヤッ
(‘A`)(まったく……リナも照れてんだな……)
アンアン……アンアン……
(‘A`)「……」
(‘A`)(しかし、俺という奴を思いながらも、どうしてこんな仕事してんだろ……)
(‘A`)(辞められない理由があるんだろうな)
(‘A`)「……」
(‘A`)「……いざとなったら、俺が……リナを……!」クワワッ
閉店後――
(*бωб)「お疲れ様でした☆」
(‘A`)「リナ、ご苦労様」マジキチスマイル
(*бωб)「はーい☆」スタスタ
(‘A`)「……」
(‘A`)「……よし……」スッ
(*бωб)「……」スタスタ……
スタ……スタ……
(*бωб)「……」スタスタ……
スタ……スタ……
(*бωб)「……」スタスタ……ピタッ
スタ……スタ……ピタッ
(*бωб)「……」
(*бωб)「……?」スタスタ……
……スタスタ
(‘A`)「……」
数日後――
(*бωб)「……おはようございます」
(‘A`)「リナ、おはよう」超キチスマイル
(*бωб)「……」
(‘A`)「……ん?なんか元気ないな?」
(*бωб)「……はい。実は、最近誰かに見張られている気がして……」
(‘A`)「な、なに!?リナを!?誰が!?」
(*бωб)「分かりません……。気のせいかもしれたいんですけど……」
(‘A`)「野郎ふざけやがって!どこのどいつが!リナを!」クワツ
(*бωб)「……私、怖くて……」
(‘A`)「!!」
(‘A`)(これは……チャンスだ!)
(‘A`)(ここでカッコいいこと言えば、もうリナの心を完全に……!)
(‘A`)(……よ、よぉし!“俺がついて帰ってやるよ”って言えば完璧だ!)
(‘A`)「……!」
(*бωб)「……」
(‘A`)「……リ、リナ!」
(*бωб)「……ん?」
(‘A`)「……お、俺が!ついて帰ってたんだよ!」クワワッ!!
(*бωб)「……」
(‘A`)「……」
(*бωб)「……え?」
(‘A`)「……え?」
数時間後――
(‘A`)「……」ズタボローーン
(*`Д´)「……お前、バカやろ?」
(‘A`)「……うぅ……」
(*`Д´)「リナはうちのナンバーワンだったんやぞ?それをストーキングして、挙げ句本人に暴露するとか……。お前、リナ辞めちまったじゃねえか」
(‘A`)「……ず、ずびばぜんでじだ……」
(*`Д´)「……まあ、リンチくらいで済んで良かったなぁ。変な悪運だけは強ぇな、お前」
(‘A`)「……リ、リナ、本当に辞めたんですか?」
(*`Д´)「ああ。本当や。おかげで店の売上がた落ち。どうしてくれるん」
(‘A`)「……俺のせいです……」
(*`Д´)「……分かっとるやん。ならええ。今日のところは俺が口利きしたる。頑張りや」
(‘A`)「……」
(‘A`)(……俺の、せいだ……)
(‘A`)(……リナはショックを受けたんだ。だから、辞めたんだ……俺に、ストーカー行為されたと思って……)
(‘A`)(――……俺を、好きだったのに……!)クワワッ
夜――
ザッ――
(‘A`)「……」
(‘A`)(確か、リナの家はこのアパート……)
(‘A`)(前に警備した時に、確かにここに入って……)
(‘A`)(……部屋は、二階の角部屋……)スタスタ
(‘A`)(ここだ……ここが確か……)
(‘A`)(……よ、よぉし……)
……ピンポーーーン
(‘A`)「……」
(‘A`)「……ん?留守か?電気点いてるんだけどなぁ……」
ピンポーーーン
ピンポーーーン
――ガタタッ
(‘A`)「――ッ!いた!」
スタスタ……ガチャ
(`_´メ)「……誰や」
(‘A`)「――ッ!?」
(`_´メ)「あ?お前誰や?」
(‘A`)「あ、あの……僕……」ガタガタ
(*бωб)「……誰だったの?」
(‘A`)「――ッ!」
(‘A`)(リ、リナ!///)
(`_´メ)「おうリナ。なんか変な奴が――」
(‘A`)「……やあリナ。久しぶり――」
(*бωб)「――こいつ!私をつけ回ってたストーカー!」
(`_´メ)「……あぁ?」
(‘A`)「――ッ!?」
(*бωб)「お前いい加減にしろよ!きったねえ面しやがって気持ち悪い!」
(‘A`)「リ、リナ……?」
(*бωб)「なに勝手に呼び捨てしてんだよ!ウザいんだよ!」
(‘A`)「……」
(`_´メ)「……ほぅ。お前が、な……」ボキ……ボキ……
(`_´メ)「……ちょっと、面貸せや……」
(‘A`)「ひぃぃいいぃぃ……」
病室――
(‘A`)「……」ズタズタボロボローーン
(*`Д´)「……お前の根性舐めてたわ。まさか、また家に行くとは……」
(‘A`)「……ず……ずび……ば……」
(*`Д´)「ええってええって。ほぼほぼ死にかけてるお前に、これ以上嫌味言ったりせんわ。なんか気の毒過ぎてのぉ」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「リナには男がおったんや。しかも素行が悪いはぐれもんや。代紋も持っとらんから、余計質が悪くてな」
(‘A`)「……でしょうね。刺青してましたし……」
(*`Д´)「ほほう……いっちょ前にのぉ……。どんな柄やった?」
(‘A`)「チラッとしか見えませんでしたが……鷹が……」
(*`Д´)「……なんやて?」
(*`Д´)「鷹の柄もん……他にはなんかあったか?」
(‘A`)「あ、あと……こめかみに、傷痕が――」
(*`Д´)「ああ!?」
(‘A`)「ヒィィッ!?すみません!」
(*`Д´)「それほんまか!?ほんまなんか!?」
(‘A`)「は、はひ!」
(*`Д´)「……そう、か……」
(‘A`)「?」
(*`Д´)「……お手柄やで、たかし。ようやった……」スッ
(‘A`)「え?え?」
(*`Д´)「またの、たかし」スタスタ
(‘A`)「……?」
数日後――
(‘A`)「……」ノヘー
ガチャ――
(*`Д´)「おうたかし」
(‘A`)「あ、ども……」
(*`Д´)「この前はすまんかったな」
(‘A`)「い、いえ……。あの、何かあったんすか?」
(*`Д´)「いやなに。どうやら、横流しされてたみたいなんよ」
(‘A`)「横流し……」
(*`Д´)「お前は知らんでええ。これは、俺らの縄張りやし。……ただ、オトシマエは、つけさせてもらった。お前のおかげやで」
(‘A`)「は、はぁ……」
(*`Д´)「もうすぐ退院やろ?また頼むで。さて、俺も忙しいから帰るわ」スッ――
(‘A`)「あ、どうもー」
(*`Д´)「ほなな」スタスタ
(‘A`)「……忙しそうだなぁ」ノヘー
テレビ『本日未明、○○港で男女の遺体が発見されました。遺体の損傷は激しく、人物の特定は困難な模様です。警察では、死体遺棄事件として捜査をしています――』
更に数日後――
アンアン……アンアン……
(‘A`)「……」
スタスタ……
( ̄ヘ ̄)「……」
スタスタ……
(‘A`)「アリガトウゴザイマシター……」
(‘A`)「……」
(‘A`)(退院したのはいいけど、またこの毎日かぁ……)
( ̄ヘ ̄)「……ちょっと」
(‘A`)「え?あ、はい……」
( ̄ヘ ̄)「キミは、この店のボーイさん?」
(‘A`)「ボーイというか、ただの雑用というか……」
( ̄ヘ ̄)「ふむ……わかった」スタスタ
(‘A`)「……?」
(‘A`)(なんなの、いったい……)
夜――
(‘A`)「今日も疲れたなぁ……」スタスタ
スタスタ……
( ̄ヘ ̄)「……もし」
(‘A`)「へぁ?……ああ、今日のお客さん」
( ̄ヘ ̄)「キミは、あの店は長いのか?」
(‘A`)「へ?いや、別にそういうわけでは……」
( ̄ヘ ̄)「ふむ……。あそこのお嬢に、カオルという人物はいないか?」
(‘A`)「カオルさん?カオルさんは……いないはずですが……」
( ̄ヘ ̄)「ふむ……」
(‘A`)「?」
( ̄ヘ ̄)「……少し、時間をよろしいか?」
(‘A`)「え?あ、はい……」
喫茶店――
( ̄ヘ ̄)「……」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)(な、なんなのいったい……)
( ̄ヘ ̄)「……私はな、好きなんだ」
(‘A`)「へ?」
( ̄ヘ ̄)「心から愛しているんだよ」
(‘A`)「えええぇぇぇえええぇぇぇ……」
( ̄ヘ ̄)「……カオルを」
(‘A`)「……あ、はい……」
( ̄ヘ ̄)「折り入って頼みがある。カオルの行方を、探してほしい」
(‘A`)「いや無理っす」
( ̄ヘ ̄)「そこをなんとか」
(‘A`)「誰かわからんす。無理っす」
( ̄ヘ ̄)「難しいことはない。ただ、カオルという名前に心当たりがありそうな人を探すだけでいい」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「もちろん、お礼ははずむ」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「頼む……」
(‘A`)「……わ、わかりました」
( ̄ヘ ̄)「そうか……では頼んだぞ」スタスタ
(‘A`)「……」
(‘A`)(ほんとなんなの、あのオッサン)
数日後――
(‘A`)(んなこと言ってもなぁ。なかなかいねえよな……)
(*`Д´)「おうたかし。頑張っとるようやな」
(‘A`)「あ、どもー」
(*`Д´)「ん?なんや、煮えきれん顔して」
(‘A`)「い、いえ……。あの、一つ聞いてもいいですか?」
(*`Д´)「あん?なんや」
(‘A`)「カオルさん……という方はご存知ですか?」
(*`Д´)「――」
(‘A`)「……?」
(*`Д´)「……知らん」
(‘A`)「……そうっすか……」
(*`Д´)「……なんでそんなこと聞くん?」
(‘A`)「いえ……その……お客さんから聞かれたので……。カオルというお嬢はいるかって……」
(*`Д´)「そう……か……。そういう話は、相手せんでええんぞ。たいがい店間違いや」
(‘A`)「は、はぁ……」
(*`Д´)「いいか?相手すんなよ」
(‘A`)「わかりましたー……」
やめろ
えぇ…
まじかよ……………。
喫茶店――
( ̄ヘ ̄)「進展はあるかね」
(‘A`)「いえ。それがまったく……」
( ̄ヘ ̄)「……そうか……」
(‘A`)「……あの……店が違うのでは……」
( ̄ヘ ̄)「そんなはずはない。絶対に、あの店だ」
(‘A`)「……はぁ」
( ̄ヘ ̄)「……」
(‘A`)「……あの、どういう相手なんすか?」
( ̄ヘ ̄)「……キミに話す必要はない」キッパリ
(‘A`)(ええぇぇ……)
( ̄ヘ ̄)「引き続き頼むよ」
(‘A`)「は、はぁ……」
数日後――
(*`Д´)「……たかし、ちょっとええか?」
(‘A`)「あ、はい」
(*`Д´)「お前が最近、カオルっていう女を探してるっちゅー話を聞いたんやが……」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「前に言ったはずやぞ?相手にすんな、ってな……」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……まあええ。なにがあったんや?教えれ」
(‘A`)「……はぁ。実は――」
(*`Д´)「……そうか。そんな奴が……」
(‘A`)「……ええ」
(*`Д´)「……正直に言おうか。カオルなら、知っとる」
(‘A`)「えぇ!?」
(*`Д´)「でもな、そのオヤジには教えられん」
(‘A`)「ええぇぇ……」
(*`Д´)「教えてもどうしようもないんや。何しろ、とっくにおっちんでるわけやし……」
(‘A`)「……へ?」
(*`Д´)「聞こえんかったか?カオルはな、死んどるんや」
(‘A`)「……!」
(*`Д´)「よく、ある話や。男がろくでもなくて、そいつに金渡すために体売ってたんや。そんで、妙な客に唆されてな。アフターでホテル行って、薬やり過ぎてポックリや」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「ついでに言うと、そのオヤジの素性は検討つく。それも、よくある話や」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「まあ、それをオヤジに言うかはお前に任せるわ。これは、お前のシノギやけんの」
(‘A`)「は、はぁ……」
(*`Д´)「まあ、一つ言わせてもらうなら、人間知らん方が幸せなことがあるんや。真実は、時々凶器にもなるんやで」
(‘A`)「……」
喫茶店――
( ̄ヘ ̄)「……なんだね。急に呼び出して……」
(‘A`)「あ、あの……実はカオルさんのこと……分かりまして……」
( ̄ヘ ̄)「――ッ!?ほ、本当か!?」
(‘A`)「は、はぁ……」
( ̄ヘ ̄)「そ、それで!?カオルはどこに!?」
(‘A`)「そ、その前に一つ教えてくれませんか?」
( ̄ヘ ̄)「……何をだね?」
(‘A`)「……あ、あの……あなたは、カオルさんとは、どういう関係で……?」
( ̄ヘ ̄)「……」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「……確かに、一方的に調べてもらうのも申し訳ないしな。仕方ない……」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「――……カオルは、娘だ」
(‘A`)「――ッ」
( ̄ヘ ̄)「恥ずかしい話だがな。高校までカオルは素直で真面目な子だった。……それが、高校のころ、母親――私の妻が他界してな。そっからだった。妙な輩と交遊するようになったのは」
( ̄ヘ ̄)「気付いたら高校も辞めていた。それを指摘すると逆情されてな。言われてしまったよ。“いきなり父親面するな!”ってな」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「ショックだったよ。確かに私は、家族をおざなりにし過ぎていた。家族のためにと理由をつけて、素直なあの子を放置していた。逃げていたんだよ、私は。それは自分が一番、痛いほどわかっていた」
( ̄ヘ ̄)「だから反論も出来ず、私はあの子をぶったんだ。そして家を飛び出したあの子は、二度と帰って来なかった」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「……後悔しているんだよ。出来ることなら、もしあの子が許してくれるのなら、もう一度やり直したい。どれだけ変わってしまっても、あの子は私の娘だ。離れて初めて、それが分かったんだよ。情けない話だがな」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「……それで?」
(‘A`)「……はい?」
( ̄ヘ ̄)「カオルは、どこに?」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「……」
(‘A`)「……カ、カオルさんは……」
( ̄ヘ ̄)「……うむ」
(‘A`)「……カオルさんは……や、辞めました。ずっと前に……」
( ̄ヘ ̄)「……そっからは?」
(‘A`)「……分かりません。僕が分かったのは、ここまでです」
( ̄ヘ ̄)「……そう、か……。そうだったか……」
(‘A`)「……すみません。力になれず……」
( ̄ヘ ̄)「……いや、いいんだよ。ありがとう……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「あ、あの……これからどうするんですか?」
( ̄ヘ ̄)「……探すよ。どれだけ時間がかかってもな。たった一人の、家族だからね」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「……世話になったね。これは謝礼だ」スッ
(‘A`)「――ッ!?こ、こんなに貰えません!」
( ̄ヘ ̄)「いいんだ。少なくとも、ここにはいないことが分かったんだ。そのお礼だよ」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「もし……もしカオルに会ったら伝えてほしい。“父さんが悪かった。一緒にやり直そう”ってな」
(‘A`)「は、はい……」
( ̄ヘ ̄)「……では、失礼するよ」スクッ
(‘A`)「……」
(‘A`)「……あ、あの!」
( ̄ヘ ̄)「……ん?」
(‘A`)「……」
( ̄ヘ ̄)「?」
(‘A`)「……きっと会えますよ。娘さんと。いつか、きっと……」
( ̄ヘ ̄)「……ありがとう」
スタスタ
(‘A`)「……」
数日後――
(*`Д´)「……そうか。そんなことが……」
(‘A`)「……言えませんでした。本当のこと。俺、言うべきだったんですかね……」
(*`Д´)「……さあな。俺にも分からんわ。ただ、オヤジさんにとっては、たぶん生きる目的だったんだ」
(‘A`)「……娘さんを探すのが、ですか?」
(*`Д´)「そうや。それは、生きる希望なんや」
(‘A`)「……でも、俺、わかんないっす。どうするべきか……。正直に言うのが怖くて、嘘ついて……。卑怯っすよね、俺……」
(*`Д´)「……どうするか分からんから、嘘つくんやろ。嘘っちゅーのは、そういうもんや。残酷で、悲しい。やけど、時々誰かの支えにもなるもんや」
(*`Д´)「そのオヤジさんの生きる支えになっとんのは、間違いなくお前の嘘なんや。卑怯でズルい、お前の嘘なんやで」
(‘A`)「……難しいっすね。人生って」
(*`Д´)「そうや。それも、人生や」
(*`Д´)「ところでたかし。借金なんやけど……」
(‘A`)「え?あ、はい……」
(*`Д´)「しまいや。借金」
(‘A`)「……へ?」
(*`Д´)「せやから、終わりや。お前の借金」
(‘A`)「ええぇぇええぇぇ!?」
(*`Д´)「感謝せいや?この前のお前のお手柄、叔父貴に言うたらたいそうご満悦なってん。お前の借金、チャラしちゃるって言いよったんや」
(‘A`)「ま、マジっすか……」
(*`Д´)「ほんま悪運だけは強いの、お前wwwwww」
(‘A`)「……」
(*`Д´)「……ほんで、どうするん」
(‘A`)「へ?」
(*`Д´)「この仕事や」
(‘A`)「……もう少し、続けてみようなって」
(*`Д´)「……そうか。なら、好きにせい」
(‘A`)「……はい」
某日――
(‘A`)「……」
(‘A`)「アリガトウゴザイマシター……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「マタノオコシヲー……」
(‘A`)「……」
(‘A`)(この仕事にもだいぶん慣れたなぁ……)
ガラッ
(‘A`)「イラッシャイマセー……」
(‘A`)「――ッ!?」
(?? ??)「……」
(‘A`)(か、可愛えええぇぇぇ/////)
(?? ??)「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)「……?」
(?? ??)「……」
(‘A`)「……あ、あの……」
(?? ??)「――ッ!」
ピシャッ!!
(‘A`)「……」
(‘A`)「……なんなの、いったい……」
(*`Д´)「おうたかし」
(‘A`)「あ、どうもー」
(*`Д´)「変わりはねえか?」
(‘A`)「へぇ。特には……あ」
(*`Д´)「なんや。なんかあるんかいな」
(‘A`)「いえ、大したことはないんですけど、最近女の人たまに店に来るんすよ」
(*`Д´)「……女?」
(‘A`)「はい。来るって言っても、ドア開けて店ん中見渡して帰るんですけど……」
(*`Д´)「ふむ……なんや怪しい話やのぉ」
(‘A`)「ええ。わけわかりません」
(*`Д´)「……まあええ。いちおう気をつけぇよ」
(‘A`)「はぁ……」
夜――
(‘A`)「……」スタスタ
タタタ……
(‘A`)「……ん?」
(?? ??)「……」
(‘A`)「あれ?あなたは……」
(?? ??)「……たかしさん、ですか?」
(‘A`)「は、はいそうですが……」
(?? ??)「……」
(‘A`)「……」
(?? ??)「……フフフ」ダッ――
(‘A`)「え!?ちょ、ちょっと!」
タタタ……
(‘A`)「……」
(‘A`)「……え?なに?なんか怖いんだけど……」
翌日――
(‘A`)「……」
ガラッ
(?? ??)「……」
(‘A`)(また来たよ……)
(?? ??)「……」
(‘A`)「あの……何か――」
(?? ??)「――あの!」
(’A`)「は、はひ!?」
(?? ??)「実は、お話しがあって……」
(’A`)「あ、はい……」
(?? ??)「私と……付き合ってくれますか?」
(’A`)「……え?」
(?? ??)「……」
(’A`)「ええぇぇええぇぇ!!??」
(’A`)「なぜ急に!?」
(?? ??)「思い立ったので」
(’A`)「思い立って告白っすか……」
(?? ??)「どうするんですか?付き合うんですか?」
(’A`)「いや……どうするかって言われても……////」
(?? ??)「はっきりしろやゴルァ!!」クワッ
(’A`)「ヒイィ!?つ、付き合います!付き合います!」
(?? ??)「そ……。ありがとう。じゃあ、また今度……」
(’A`)「……」
(’A`)「……え?初彼女ってやつ?……なの、か?」
後刻――
(’A`)「////」ポー
(*`Д´)「……おい。どうしたんお前……」
(‘A`)「……俺、死んでもいいっすわ……」
(*`Д´)「は?」
(‘A`)「いやあ、モテるって辛いっすわ……」
(*`Д´)「……」
(*`Д´)「……お前、またストーカーしてん?」
(‘A`)「まさか。純粋な、イケメン枠っす」
(*`Д´)「……どうでもいいけど、すっごいムカつくわ……」
夜――
(‘A`)「////」ドキドキ
スタスタ
(?? ??)「……」
(‘A`)「あ!こんばんわ!」ダッ――
(?? ??)「……」
(‘A`)「待ってたよ。さあ、行こうか」マジキチスマイル
(?? ??)「気持ち悪い……」ボソッ
(‘A`)「……え?」
(?? ??)「なんでもありません。では、行きましょうか」
(‘A`)「え?あ、うん……」
スタスタ…
(‘A`)「……」
(?? ??)「……」
スタスタ……
(‘A`)「……」
(?? ??)「……」
スタスタ……
(‘A`)「……あ、あの……どこへ……」
(?? ??)「……」
(‘A`)「あ、あの――」
(?? ??)「――うるっせえんだよ!黙ってついて来やがれDT野郎が!」クワッ
(‘A`)「は、はひ!?」
(‘A`)(ど、DT野郎……)ズーーーン
プルルルル……
(’A`)「……あ、ごめん電話だ」
(?? ??)「――ッ!?」
(’A`)「もしもし?」
(*`Д´)『おうたかしか。今どこや』
(’A`)「今っすか?……ええと……その……か、かかか、かの、かのかのかの……かの……」
(*`Д´)『おk。一回落ち着けや』
(’A`)「……うっす……」
(*`Д´)『……なんや、女とおるんか?』
(’A`)「……は、はい……///」
(*`Д´)『気色悪い声出すなや。鳥肌もんやで』
(’A`)「ウッス……」
(*`Д´)『……この前言っとった女か?』
(’A`)「えへへへ……へへえへへへ……////」
(*`Д´)『せやから気色悪い言うとんのやて。……その女、今近くおるんか?』
(’A`)「え?あ、はい。横に……」
……シーーーーン
(’A`)「……あ、あれ?いない?さっきまでいたのに……」
(*`Д´)『……ちょい待っとれ。迎え行くわ』
(’A`)「え?あ、はぁ……」
数時間後――
(’A`)「すんません。迎え来てもらって……」
(*`Д´)「ええんのや」
(’A`)「……」
(*`Д´)「……たかし、いちおうの話や」
(’A`)「はい?」
(*`Д´)「……その女、気ぃ付けえや」
(’A`)「え?彼女っすか?」
(*`Д´)「そや。なかなかくっさいで。その女」
(’A`)「そ、そんなことありませんよ!めちゃくちゃいい匂いします!」クワッ
(*`Д´)「アホかい。そんな話しとらんって。言ったやろ。いちおうの話や」
(’A`)「は、はぁ……」
後日――
(’A`)「……」
スタスタ……
(?? ??)「……」
(‘A`)「あ……やあ……」
(?? ??)「……行きましょ」
(‘A`)「……その前にさ、このまえ、どこ行ったの?」
(?? ??)「……帰っただけ」
(‘A`)「……」
(?? ??)「ほら、行くわよ」
(‘A`)「……まさか、違うよね?」
(?? ??)「何が?」
(‘A`)「“気ぃ付ける”必要は、ないよね?」
(?? ??)「……クス」
(*`Д´)「……」
(*`Д´)(たかしの女……あいつ、たぶん……)
プルルル……
(*`Д´)「たかしから……?」
ガチャ
(*`Д´)「……もしもし」
???「……こんにちわ」
(*`Д´)「……誰やお前」
???「たかしは預かった。今すぐ〇〇まで来なさい」
ツーー……ツーー……
(*`Д´)「……」
(*`Д´)「……ほんま、あのバカは手がかかるわ……」
某所――
(’A`)「……」
(?? ??)「……」
(’A`)「……あ、あの……」
(?? ??)「……あ?」
(’A`)「僕、これからどうなる……んでしょうか……?」
(?? ??)「……知るか」
(’A`)「……」
(?? ??)「……」
(’A`)「……やっぱり、死ぬんすかね……」
(?? ??)「さあ、どうかしら……」
(’A`)「……」
(?? ??)「……」
(’A`)「……」
(?? ??)「……ねえ。一つ答えなさい」
(’A`)「はい?」
(?? ??)「死ぬの、怖い?」
(’A`)「……そりゃ、まあ」
(?? ??)「……そう」
(’A`)「ただ、これでいいのかなぁって、思っちゃったり……」
(?? ??)「……死ぬのが?」
(’A`)「ええ、まあ。……僕、前まで引きこもってたんですわ。ババア叩いて、金出させて、フィギアとかゲーム買いあさって……。最近になってようやく働くようにはなったんすけどね。といっても、風.俗の受付なんすけど……」
(?? ??)「……」
(’A`)「正直、将来なんて見えないじゃないっすか。今のところ。ババアにも捨てられて、社会の底辺ってのを思い知らされて、そんで、どうすりゃいいのかも分からんっす」
(?? ??)「……」
(’A`)「こんな人間、いない方がマシなのかもしれんっす。だから、もしここで死ぬなら、それはそれでありなのかもって……思っちゃったりして……」
(?? ??)「……そう」
(’A`)「あ、もちろん痛いのは嫌っすけどね。苦しいのもちょっと。ついでに言うなら、キツさ最小で」
(?? ??)「……あんた、全然死ぬ覚悟ないじゃん」
(’A`)「だって怖いんすもん……」ノヘー
(?? ??)「あんたにとって家族って?」
(’A`)「へ?」
(?? ??)「ババアって、家族のことでしょ?いるってどんな感じ?」
(’A`)「いやぁ……なんて言ったらいいのか……」
(?? ??)「……私には分からないの。生まれた時から一人だし。こんな生き方しか出来ないし。小さい頃は分からなかったけど、大きくなって思い知らされるの。私は、きっと捨てられたんだって……」
(’A`)「……」
(?? ??)「あんたも捨てられたんだよね?じゃあきっと、私と似てるのかな……」
(’A`)「……僕の場合、自業自得というか、当然の結果というか……」
(?? ??)「フフフ。それもそうね。私は小っちゃい頃、さすがにフィギアは集めてなかったわ」
(’A`)「……」ノヘー
コツ……コツ……
(?? ??)「……時間ね」スクッ
(’A`)「……え?」
コツ……コツ……
(*`Д´)「……たかし。生きとんか?」
(’A`)「え、ええまあ。ギリギリ……」
(*`Д´)「まったくお前は……。あとでコブラツイストにエビ反り固めの刑やで」
(’A`)「ふぇぇ……」
(?? ??)「……こんばんわ」
(*`Д´)「……おう。来てやったで。まさか、たかしを人質にするとはの。そいつに人質の価値があるって考えたお前の思考回路を疑うで」
(?? ??)「でも、ちゃんと来たじゃない」
(*`Д´)「……」
(?? ??)「……まあいいわ。前置きは不要よね?死んでもらうわよ」スチャ
(’A`)「け、拳銃!?」
(*`Д´)「……お前、ヒットマンか?」
(?? ??)「……」
(*`Д´)「どうやら、単独行動のヒットマンみたいやのぉ。なんや、あいつらに頼まれたんかいな」
(?? ??)「……答える義理はないわね」
(*`Д´)「ほな、もう一つ聞くで。なんでたかしを殺してないん?」
(?? ??)「……え?」
(’A`)「ファッ!?」
(*`Д´)「お前もプロやろ?目撃者はさっさと殺せばええのに。なんで殺しとらんの?」
(?? ??)「……そんなの、私の勝手――」
(*`Д´)「ちゃうやろ。お前、夢見過ぎたんとちゃうか?」
(?? ??)「――ッ!」
(*`Д´)「たかしを見てみい。怯えとるで」
(?? ??)「……」
(*`Д´)「今更迷ってんのか?けったいな奴やの。そないなデブ見て表に憧れるんか。やっぱ神経疑うで。よう見てみ。ごっつ不細工やで、たかしは……」
(’A`)「ええぇぇ……」
(?? ??)「……」チラッ
(*`Д´)「――隙あり、や」
――――パーーーン
(?? ??)「うぐ――ッ!?」
(’A`)「……え?」
(?? ??)「……!」バタン
(’A`)「え?ええええ!?」
(*`Д´)「すまんの……。せやけど、俺も死にとうないんや。チャカ構えてさっさと撃たんかったお前が悪いんやで」
(?? ??)「……」
(*`Д´)「お前、高望みし過ぎなんや。後には退けんのやで?お前も……もちろん、俺も……」
(?? ??)「……」
(*`Д´)「俺らの世界っちゅーのはな、真っ黒なんや。一度落ちたら、二度と色が取れんのや。お前も色々あったんやろうけど、分かっとったはずやで?二度と白にはなれん、ってな」
(*`Д´)「たかしを見て、真っ白に憧れるのは分かる。俺もそうや。こいつはめちゃくちゃ甘ちゃんで、めちゃくちゃキモイやろ?でもな、俺らとは、住む世界が違う奴なんや」
(*`Д´)「こいつに自分を重ねても無駄や。俺らはな、一生たかしには、なれんのや」
(?? ??)「……そう、ね……」ガクッ
(’A`)「……」
(*`Д´)「……さいなら、姉ちゃん。それと、嘘でもたかしと付き合ってくれて、ありがとうな」
(’A`)「……」
スタスタ……
(*`Д´)「……」
(’A`)「……」
(*`Д´)「……たかし」
(’A`)「は、はい!」ビクッ
(*`Д´)「……お前、俺が怖いか?」
(’A`)「……え?」
(*`Д´)「お前の考えとることは分かるで。お前、俺らの世界に染まってたつもりなんやろ?」
(*`Д´)「でも、それは違うんやで。さっきみたいなのが、俺らの世界なんや。分かるか?世の中の底辺っちゅうのは、お前が思っとる以上に深いんやで」
(’A`)「……」
(*`Д´)「……たかし。もうしまいや。もうええ」
(’A`)「……え?」
(*`Д´)「クビやクビ。店長には俺から言っとくわ。二度と来んなや」
(’A`)「え?で、でも……」
(*`Д´)「でもやない。これは、命令や」
(’A`)「……」
(*`Д´)「……お前は自分の家に帰れや。もともとお前は、そっちの方の人間や。白いんや」
(*`Д´)「俺らの世界に来る必要はないんや。まだお前は、そっちの世界におれるんや。そこでやれるんや。勝手に自分を見限る必要ないんや」
(*`Д´)「お前は出来るんや。現に、ちゃんとやりよったやん。ボコられても、ストーカーしても、それでもやりよったやん。根性見せてたやん」
(’A`)「……」
(*`Д´)「ええかたかし。前に言ったやろ。出来るか出来んかやない。やれや。やってみろや。お前が思っとる以上に世の中は、糞で、残酷で、非情で、おまけに、露骨で……」
(*`Д´)「――……そんで、意外とちょろいんやで」
(’A`)「……」
(’A`)「……」
(*`Д´)「……そうや。忘れるところやったわ。ほれ」ポイッ
(’A`)「これ……札束!?」
(*`Д´)「退職金や。受け取っとけ」
(’A`)「……で、でも……」
(*`Д´)「ええって。それでしばらくはもつやろ。今度こそ、使い切る前にちゃんとした仕事、見つけや」
(’A`)「……」
(*`Д´)「……なんや黙りこくって。気色悪いわ」
(’A`)「……あの……どうしてここまでしてくれるんですか?」
(*`Д´)「……あ?」
(’A`)「どうして、俺にここまで……」
(*`Д´)「……」
実父だったりしてな
(*`Д´)「……昔話や。そいつ、惚れっとった女がおってん」
(’A`)「……」
(*`Д´)「そいつも若かったからな。散々遊び散らして、威張り散らしてな。そいつ、結局出て行ったんよ」
(*`Д´)「そいつもしばらく頭茹でタコなっとったけどな。ふと、分かったんよ。そいつ、その女がおらなあかんかったって」
(’A`)「……」
(*`Д´)「せやけど、今更どうしようもないやろ?そいつが嫌で逃げた女追いかけても、どうせまた逃げるやろ?遅すぎたんよ、気付んがの」
(*`Д´)「そんでも、女々しいことに、忘れられんかったわ。そんで辞めとばいいのものを、その女探したんよ。そしたら、結婚しとったわ。カタギの奴と」
(’A`)「……」
(*`Д´)「そんで、またやめればいいのに、勝手に気になってん。そしたらその女、ごっつうエグイ人生歩みよるんよ。旦那が死んで。家を追い出されて。借金抱えて……」
(*`Д´)「……でも、そいつはなんもしきれんかった。怖かったんや。拒絶されるのが。そんでそいつは、借金を全部背負って、その女と繋がりを作ろうとしたんや」
(*`Д´)「ごっつ、卑怯やろ?」
(’A`)「……それって……」
(*`Д´)「……たかし。そいつみたいにはなんなや。死ぬほど後悔するで。ええか?そんな正真正銘のクズには、なんなや」
(’A`)「……」
(*`Д´)「それと、な。もう一つ、選別や」スッ――
(’A`)「……これ、住所?」
(*`Д´)「母ちゃん、会いたいやろ?」
(’A`)「え?」
(*`Д´)「そこにおるで、お前の母ちゃん」
(’A`)「……」
(*`Д´)「でもな……」
(’A`)「?」
(*`Д´)「……いやええ。あとは自分でなんとかせいや」
(’A`)「……」
(*`Д´)「ほなな。ここでお別れや。……俺も、ようやく踏ん切りついたわ」
(’A`)「あ、あの……!」
(*`Д´)「ああええってええって。妙なこと言わんでええ。気色悪いだけやわ」
(’A`)「……」
(*`Д´)「母ちゃん、大切にせえや。やないと、ほんまに沈めるで?……ほんなら、な」スタスタ…
(’A`)「……ありがとうございました!ありがとうございました!ありがとうございました!」
(’A`)「……ありがとう……ございましたああああ!」
某所――
スタスタ……
(’A`)「……」
(’A`)「……ここに、ババアが……」
(’A`)「……」
(’A`)(……ババア……)
スタスタ……
(’A`)「あ、あの……」
( ̄д ̄)「はいはい。どういったご用件で」
(’A`)「いえ、その……」
( ̄д ̄)「?」
(’A`)「……ここに、ババ……母が、入院していると聞いて……」
( ̄д ̄)「……え?ああ、面会ですね」
(’A`)「……」
スタスタ……
( ̄д ̄)「……そうですか、息子さんなんですか……」
(’A`)「ええ、まあ……」
( ̄д ̄)「ご家族の方と連絡したかったのですが、何しろ本人が頑なに家族はいないって言い張ってですねぇ」
(’A`)「……」
( ̄д ̄)「でもこうして来ていただいて、助かりました。説明もしておきたいですし……」
(’A`)「……はい」
病室前――
( ̄д ̄)「……ここですよ」
(’A`)「ここに……」
( ̄д ̄)「……先に説明しておきますね。端的に申し上げますと、お母さん、もう意識があまりありませんので」
(’A`)「え?」
( ̄д ̄)「末期でして。正直、手の施しようがないんです」
(’A`)「そ、そんな……」
( ̄д ̄)「……ですが、こうしてあなたが来てくれたので、きっと喜ぶと思いますよ」
(’A`)「……そうだと、いいんですが……」
( ̄д ̄)「何かあればすぐ呼んで下さいね。では……」スタスタ…
(’A`)「……」
スタスタ……
(’A`)「……」
J( ‘ー`)し「……」
(‘A`)「……」
(‘A`)(ババア……)
J( ‘ー`)し「……看護師さんですか?」
(’A`)「……はい。今日から、担当になりました」
J( ‘ー`)し「あら、そうですか……。男の方なんですね」
(’A`)「ええ、まあ……」
J( ‘ー`)し「……何だか恥ずかしいですが、よろしくお願いしますね」
(’A`)「……はい。こちらこそ……」
J( ‘ー`)し「……看護師さん、実はですね、私、前の看護師さんには言っていないことがあるんですよ」
(’A`)「……聞いてもいいんですか?」
J( ‘ー`)し「はい。ぜひ」
(’A`)「……」
J( ‘ー`)し「実はですね。私には、息子が一人いるんですよ」
(’A`)「……そうなんですか」
J( ‘ー`)し「はい。……と言っても、息子と呼ぶ資格はないでしょうが」
(’A`)「い、いえ……そんなことは……」
J( ‘ー`)し「いいんです。分かってるんです。あの子には、小さな頃から苦労ばかりかけていました。夫が先立ち、借金まで抱えて……それでも私は、必死に働きました。せめて不自由はさせないでやろう。幸せにしてやろうって」
J( ‘ー`)し「実は、到底人には言えない仕事までしていたんです。それを知ったら、きっと私を軽蔑すると思います」
(’A`)「……」
J( ‘ー`)し「私は自分に言い聞かせていました。これは息子のためだ。そのためなんだって。……でも、私はきっと、逃げたかっただけなんだと思います。父親の愛に飢えて殻に閉じこもる息子から、逃げたかったんですよ」
J( ‘ー`)し「きっと、息子も感じていたのかもしれませんね。だからこそ、部屋の扉を開けてくれなかったんだと思います。その証拠に、私は最後には恐ろしいことまで考えてしまいました」
(’A`)「……恐ろしいこと?」
J( ‘ー`)し「はい。……最後に、息子と、心中するつもりだったんですよ」
(’A`)「――」
J( ‘ー`)し「結局息子は扉を開けてくれませんでしたけどね。私は、疲れていたんです。距離が縮まらない息子との関係に。自分が招いた結果を、受け入れたくなかったんです」
J( ‘ー`)し「それが分かって、私、逃げちゃったんです。自分が怖くなって、息子が怖くなって。全部をほっぽり出して、この街まで」
(’A`)「……」
J( ‘ー`)し「この病気も、きっとその罰なんでしょうね。逃げてしまった自分への、罰なんでしょうね」
(’A`)「……息子さんは、今、どうしていると思いますか?」
J( ‘ー`)し「……さあ、分かりません。もしかしたらあの家にいるかもしれません。外に出ているかもしれません。それを確かめる術はありませんし、確かめる資格もありませんが……」
(’A`)「……」
J( ‘ー`)し「……ごめんなさいね、変な話しちゃいまして。オバサンの愚痴として聞き流して下さい」
(’A`)「……ええ、まあ……」
(´;ω;`)
(´;ω;`)
(’A`)「……あの、俺、思うんですけど……。きっと息子さんは、恨んではいないと思いますよ」
J( ‘ー`)し「え?」
(’A`)「きっと息子さんは、甘えていただけなんです。あなたの苦労も知らずに、甘えていただけだと思うんです」
J( ‘ー`)し「……」
(’A`)「だってあなたは、こんなにも息子さんを思っているじゃないですか。……こんなになっても、息子さんを……」
J( ‘ー`)し「……」
(’A`)「……本当に、何やってるんだよ……。さっさと忘れてしまえよ、あんなクズみたいな奴のこと……」
(’A`)「無駄に去勢張って、一人じゃなんも出来ないくせに威張り散らして……。あんたが苦しんでるのなんか知ろうともしなくてさ……。どんだけ追い込んでいたのかも、考えもしなくて……」
(’A`)「バッカじゃねえの……。さっさと捨てれば良かったんだよ。こうなる前に、一人で幸せになれば良かったんだよ……。あんたは、それで良かったんだよ……」
J( ‘ー`)し「……ごめんなさい。無理なんですよ」
(’A`)「……どうしてだよ……」
J( ‘ー`)し「どれだけ手がかかっても、やっぱり、大切な息子なんですよ」
(’A`)「……」
J( ‘ー`)し「……たかし。ごめんね……ごめん、たかし……」
(’A`)「……母ちゃん……母ちゃん……!」
数カ月後――
(’A`)「……」
(’A`)「母ちゃん、仕事決まったよ」
(’A`)「ちょっと見つけるのに手間取ったけど、なんとか見つけたよ」
(’A`)「……」
(’A`)「……ごめん、母ちゃん。もっと早く頑張ってれば、安心できたのにね……」
(’A`)「……」
スタスタ……
(’A`)「……」
(*`Д´)「……たかし、久しぶりやの」
(’A`)「……あ、お久しぶりです」
(*`Д´)「聞いたで。就職先、見つかったんやってな」
(’A`)「工場勤務ですし、ちゃんとしたとこかは分かりませんが」
(*`Д´)「そんなことはないで。自分で見つけたんや。それに意味があるんやで」
(’A`)「はあ……」
(*`Д´)「……母ちゃん、残念やったの」
(’A`)「……いえ。それでも、最期は看取ってやれましたので……」
(*`Д´)「……そう、か……」
(*`Д´)「まあ、せいぜいがんばりや。もう俺みたいなはぐれもんに絡まれんよう、ちゃんとしいや」
(’A`)「そうしたいのも山々なんですがね」
(*`Д´)「そないな口きけるだけ、大丈夫そうやなwwwww」
(’A`)「だといいんですけど」
(*`Д´)「まあ、クビなったら連絡しい。受付の席、いつでも空けてやるからの」
(’A`)「ふぇぇ……」
(*`Д´)「じゃあの、たかし。達者でな」
(’A`)「あ、はい。お元気で」
(’A`)「……」
(’A`)「……じゃ、行こうかな」
(’A`)(行ってきます。母ちゃん――)
終わり
乙!!
面白かった
お邪魔しました
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