A夫の言い草に爆発したA子は、自分の実家には大見得切って飛び出してきた手前、帰れないので、一人暮らしの私のところに転がり込んできた。
それで聞いたのが上記の顛末。
A夫の離婚の理由は、「性格の不一致で、どちらかの浮気や借金とかではない」としか聞いていなかったが、
A子は「やっと本当の離婚の理由がわかった。今、私が家出してきたのと同じ状況だったに違いない」
とおいおい泣いた。
でも翌日、A夫が迎えに来て平謝りしたので、A子は帰って行った。
その後1年くらい静かだったが、またA子がやって来た。
前回の家出の後、A夫は反省したようで、
「僕達2人の家を買おう。A夫母には自分の実家に帰ってもらう」と提案した。
A子はちょうど妊娠がわかったところで、いいタイミングだと大喜びだったんだけど、
「ここを買うことにした」と事後報告で持ってきた物件が、
たとえば現住所が東京で、A夫母の実家が名古屋だとすると、ちょうど中間の静岡(地名はフェイク)。
「僕は静岡→東京で通勤する。A夫母は名古屋→静岡で、君の妊娠中や産後のお手伝いにも来やすい」
A子の解説によると、「妊娠中や産後のお手伝い」というのは、A子を手伝うのではなく、A子にお世話してもらえないA夫のお世話を、A夫母がしてくれる、という意味だそうだ。
「ね、これですべて解決!」と鼻の穴をふくらますA夫に、「自分の胃に穴があきそうだった」とA子は言っていた。
しかし、今度もA夫が迎えに来て帰って行った。
後に、子供は無事に生まれて元気に育っている、という連絡があった。
6年後、静岡の家のローンを返し終える前に、A夫母が他界した。
子供が小学校に上がる歳になり、A子は「子供は東京の学校にやりたい」と、A夫を静岡に置いたまま、子連れで東京に帰ってきてしまった。
A夫は、なんで自分は、縁もゆかりもない、勤務先からも遠い中途半端な土地で、一人ぼっちで多額のローンを払い続けているんだろうということに気がついたようで、静岡の家を売り払い、東京に出てきて、A子の周りをうろついているらしい。
A子は静岡にいる間にパートに出て、多少の仕事の経験を積み、東京でも非正規ながら仕事を見つけた。
まだ書類上は夫婦でいるようだが、この先どうなるのか私は知らない。
で?
別に普通の話くらい
やまなし
オチなし
いみなし
女にオチのある話を作れなんて、
余りなも酷な話だ。
無理に決まってるやん。