109: 恋人は名無しさん 01/22(木) 16:43:48 ID:FeSYh28x0
元カノと彼女は元々は友人で、今の彼女と知り合ったのも元カノがきっかけ。
一瞬驚いた俺と彼女だったが、我に返って
彼女「あんたこそこんな所で何してんの?」
元カノ「こっちが聞いてるの!なんで一緒に居るの!?ねぇ?」
彼女「付き合ってるからだけど?それがどうしたの?」
元カノ「ありえないんだけどw人の彼氏と付き合うとか信じられない」
彼女「もう彼氏じゃないでしょ?ほっといてくれる?」
元カノ「なんなのその言い方。ふざけないでよ!」
とまぁこんな感じで女同士のやりとりが続いてたんだが、
俺はその隙に漏れそうだと嘘をついてトイレに行き、ある所に電話。
帰ってきたら、まだギャアギャア騒いでる元カノと、それを完全に無視してる彼女、
それといつの間にか元カノの横に立っている知らない男がオロオロしてた。
戻った俺にも元カノはつっかかってきて、
別れろとか、ふざけるなとか喚いてたが
旅館の迷惑になるし、そっちも連れがいるんだから明日チェックアウトしてから話そうとなだめてとりあえず部屋に帰らせた。
次の日、朝食の時もこっちを睨んでいる元カノと何故か同じように睨む連れの男。
朝食後、チェックアウトして、旅館のロビーをお借りして、話し合い。
元カノのツレとはこの時初めて互いに自己紹介したんだが、予想した通り、元カノの彼氏だった。
話し始めた早々、彼氏君が
「ひどいじゃないか、信じられないくらいに最低だあんたは。」
とか訳分からない事を言うので、一応何の事か聞いてみた。
「昨日の夕食後、聞いたんだけど」と前置きして彼氏君が言うには、
俺と元カノは昔付き合っていた。
その当時借金があった俺に元カノは誠心誠意尽くしたが、俺は元カノに暴力を振るうわ、浮気はするわ。
あげくの果てには、元カノの両親にまで金を借り、催促されても元カノ両親に罵声を浴びせては金を返さず、そのまま失踪。
結局元カノ両親は借金が膨らみ母が病死、父はその後自サツした。
との事で、俺は間接的に元カノ両親をコロした悪人なんだそうだ。
途中で、彼女が噴出しそうになりながら必死に笑いを耐えてたくらい素晴らしい創作話で、
事実だったのは、俺と元カノは昔付き合っていた事だけ。
面白いので、その場はそのまま彼氏君が信じたままでも良かったんだけど、
言われのない事で非難されるのも癪だったので真実を話す事に。
俺と元カノは1年半前まで婚約していた。
付き合いも3年間順調に進んでいて、互いの両親も結婚を心待ちにしてくれていた。
その矢先、突然元カノが失踪。
と同時に、結婚資金として俺が貯めていた貯金が全額無くなっている事が判明。
その当時は、俺も元カノ両親も、元カノが何か事件に巻き込まれたと大騒ぎして、警察に捜索願を出した。
失踪3週間くらいした頃、元カノは発見された。
浮気相手の家で。
その場で俺と元カノ家族に、暴れる所を取り押さえられて連れ戻された元カノは、その後、終始開き直っていた。
元カノが言うにはこうだった。
浮気の期間は1年、結婚後も浮気は続けるつもりだったが、不意に浮気相手が、「俺んとこに来いよ」と言い出し、元カノは喜んでホイホイ着いていった。
その際、先立つものとして俺の貯金数百万を持ち逃げ。
それは犯罪だと元カノ両親はブチ切れだったんだが、慰謝料代わりだと平然と言ってのけた元カノ。
どうやら慰謝料=女が貰うものと言う知識をお持ちの人種だったらしい。
その後も謝りもしないどころか、自分の浮気を正当化しようとする元カノにうんざりして、窃盗で被害届を出していたのでそのまま訴える事にした。
同時に浮気相手と元カノに慰謝料請求。
浮気相手は、突撃の際の騒動ですっかり小心者になってしまい、向こうの親と一括で慰謝料を払って去っていった。
元カノは、俺様タイプだった浮気相手の強気な所が大好きだったらしいが、
慰謝料や親バレで、浮気相手がすっかりビビって逃げ出したのを知って、急に俺に復縁希望を出してきた。
もちろん別れる以外選択肢は用意しなかったし、
訴えない代わりに自分の力で、慰謝料+持ち逃げした貯金をを払うと約束させて、
婚約関係にピリオドを打ったんだが、支払いがスタートした数ヶ月に元カノまた失踪。
さすがに元カノ両親も呆れ返って、あれはもう娘じゃねぇとこぼしていた。
その後、最初の元カノ失踪の時に、元カノと仲が良かった事でいろいろと元カノ探しに協力してくれたり、
浮気発覚そして婚約破棄後も、励ましてくれり、飲みに誘ってくれた今の彼女と付き合う事に。
その後の元カノ捜索は元カノ両親に任せていたからノータッチだった。
と、ここまで彼氏君に話した時点で、元カノはロビーで10回はふぁびょってた。
全部嘘よ!こんな奴らの言う事信じちゃダメよ!私を信じて!
と、時に泣きながら、時に、体全体で表現しながら、必死に彼氏君が俺の話を信じないように頑張っていた。
話し終わった後の彼氏君は、まだ半信半疑というか、まだ俺が適当に嘘を言ってると思ってる部分が強かったようで、
その後もあれやこれやと、彼氏君が俺に質問、それに何故か元カノが答える。
俺が事実を彼氏君に説明、すぐさま元カノが必死に訂正を試みる、という意味の無い話し合いが続いた。
そうこうしているうちに、俺の電話が鳴って、俺はロビーを出て、表通りへ。
やってきた車を駐車場に誘導して、出てきた人達とまたロビーへ戻った。
戻ってきた俺と、俺の後ろに居る人達を見て、元カノ硬直。見事に硬直。
その中の一人の男性が、ニココしながら元カノに近づいて、
「なんだお前、俺は死んだ事になってるのか?親を勝手にコロしてまで隠さなきゃならん事でもあるのか?」
女性も、
「まったくこの子はこんな旅館に泊まる金があるなら、滞ってる俺君への慰謝料さっさと払いなさい。情けない」
と、元カノを交互にフルボッコ。
俺に連れられて現れた人達が元カノの家族だと理解した彼氏君は、
その後終始気まずそうにうつむいてた。
その後、元カノは両親に連れ戻され、彼氏君は俺と彼女にペコペコ謝りながら、
元カノの家族に元カノ現住所へナビするために同行。
それから数日後、元カノ両親から連絡があって、
今まで俺の意向で慰謝料は、元カノ本人からしか受け取らない事になってたけど、
それだとまた迷惑をかけるから、今度こそこちらで払わせてくれと強くお願いされ、
さすがにまた心苦しい思いをさせるのもと思い支払ってもらった。
一部は、元カノの私物を売りに売りまくった分が入っているそうで、残りは元カノ両親が立て替えたそうだ。
その代わり、元カノは遺産の相続放棄をする事になるらしい。
新年早々、嫌な過去を思い出すはめになったが、
夏に旅行に行けそうなので、その際は慰謝料で盛大にいこうと思う。
なんにせよ、今の彼女さんとお幸せにな。
話のテンポよくって爽快爽快。
前が前だったせいかもしれんが、非常にストレス無く読めてありがたかったんだぜ。
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