その場はそこでお開き。
Bからは「私がつまんない事言ってごめんなさい」とは謝られた。
それからも仕事では表に出さずみんな普段通りの態度で接した。
Bは仕事もよくできるしニコニコしてるからコミュニケーションもスムーズだし。
ただお昼の時とかはなんとなく飲み会の時のAとBの事を思い出して、Aと仲良しだった私はBとは一緒に食べたりとかは無くなっていった。
Aも特にBの悪口とかは言わないんだけど何度かBの事を言いたげな雰囲気の時があった。
ある時課長から「Bさんと何かあったの?」って聞かれた。(私以外もきかれたらしい)
「どうしてですか」って返したら「前は仕事以外にも話しかけたりしてたのに最近そういうの無いなって思ったから」との事。
課長、人の事見てるんだなーとか感心してAとお昼食べてる時に
「いやーこんな事言われちゃったよw」と笑い話で話したらAの顔がもの凄い仏頂面になってた。
後に面会した時にこの時の事を聞いたらBが課長に告げ口したんじゃないかって思ったそう。
それで昼休み上がりにAがBに直接文句を言ってた。
Bはニコニコしながら「なんの事?そんなことしないわよ」って返したけど
Aが「私らが話しかけなくたってあんたは幽霊とでも話してればいいじゃん。居るんでしょ?」
みたいな事を言ってのは覚えてる。
その後も酷い事を色々言ってた。
その後Aがいきなり「へやっ!」って大きな声出したからびっくりしてたら、Aが喚きながらファイルケースをブンブン振り回してた。
みんなで「どうしたの?落ち着いて!」ってAを抑えてたんだけど、「嫌!」「気持ち悪い」って言いながら下の方をキョロキョロ見てた。
結局他の同僚に付き添われながら早退したんだけど、その時も「なんなのこれ」「いや~」って半泣きでブツブツ言ってた。
Bは変わらずニコニコしながら「あーあ散らかっちゃった。片付けたいへーん」と言いながら周りを片付けてた。
それからAは体調不良という事で一週間くらい休んでたんだけど
(私からのラインやメールには返信がなかった)、
休み明けに出てきたAは目つきが明らかにおかしくなってて、早々にBの机に行って「私を陥れようとしたって無駄!何度でもはらってやるからな!」って大きな声で叫んでた。
でもBが小さな声で何かAに向かってささやいたように見えた後、AがBをファイルでぶっ叩いてた。
すぐにみんな掛けよってAとBを引き離したけどAは口を開けて上を向いたまま座り込んで「あああああああ」って泣き叫んでた。
流石に目撃者多数の傷害現場だったので警察よばれてAは叫んだまま担がれて行った。
Bもすぐ病院に連れて行かれたけど、ずっとニコニコしていた。
Bは何故か被害届を出さずAも拘置所(?)でずっと泣き叫んでいて調書とかもとれないまま入院した。
Aは懲戒解雇。
Bも「いろいろお騒がせしてしまったので」と言い辞めてしまった。
Aが暴れる前のBの所作が気になってモヤモヤしていたので、課の送別会の時にBに「あの時何か言ったの?」と聞くつもりだった。
でもこちらからアクション起こす前にBの方から私のそばに来てニコニコしながら「聞きたい?」って言ってきた。
なんて表現していいかわかんないけど背筋からブワっとしたものが沸いてきて「関わってはいけない!」って感情が吹き出た。
「ううん」って答えるのが精一杯だった。
先日Aの母という方が会社に訪ねてこられてAの名前を出された。
訝しみながらも終業後に話を聞くと、あの後Aは治療病棟に入れられるも泣いて泣き疲れれば寝ての状態を繰り返して、ご飯も食べずに(安定剤(?)を投与する時に点滴で最低限の栄養は摂らせてたとか何とか。ここちょっとよくわかんない)過ごしていたけど、半年くらい前から少しずつ口から摂れるようになって、二月くらい前から家族とも話をするようになったとの事。
時々私の事を話すらしくて、医師からは外部の人との面会の許可を得たので迷惑で無ければ少し話して欲しい、とお願いされた。
それでAに会って来た。
Aはなんというか変わり果てた姿だった。
まあご飯食べないで運動もしなければそんなもんか。
はじめはこっちを黙って凝視してたけど手を上げて「よっ」って言ったら私だとわかってくれて少し笑顔になった。
大変だったねとか心配掛けたねとかぽつぽつと話してたら、Aが「信じてくれなくてもいいけど、私の話聞いてくれる?」と言ってきた。
「話して辛くならなければ良いよ」と言ったら「やっと自分の中で消化できたから」と話してくれた。
以下A視点で箇条書き。
・最初にBに文句を言ってた時、机についてたAの手にBが触ってぎゅっと揉まれたら足下を擦られる感触があって(叫んだのはこの時らしい)何か靄っぽいものが足下に纏わり付いてきた。
ファイルケース掴んで払っても払っても消えずに、その後帰り道も家に帰ってからもずっとつきまとっていた。
寝ている間もずっとベッドの周りをウロウロしていた。
・初めは家族も見守るだけだったんだけど、ずっと叫び続けてるAが心配で何か取り憑いているんじゃないか?お寺に行ってお祓いしてもらおうと提案された。
そういうのを嫌っていたけどでも実際何か見えるし藁にもすがる気持ちでお寺に行った。
何日か泊まってお坊さんと一緒に読経してたらある日の朝見えなくなっていた。
でも何か不安な気持ちになった。
・復帰後、Bに「はらってやった。何度でもやってみれば?」と言ったあとのBが 「茶色の耳が垂れた小さいワンちゃんだったわよ?」と笑顔で言った。
真っ先に小さい頃に飼っていた犬を思い出した。
見えてなかったけどずっと自分の近くにいたんだ。
自分の手で追い出した。
コロしたんだ。
一瞬でそういう感情が湧き出て泣き叫ぶしかなかった。
・私を守ってくれてた犬をコロした私に生きる資格はないと思ってもう生きるのは止めようと思った。
でもある日、その犬と一緒に散歩する夢を見た。
目が覚めると負の感情がスッキリ無くなっていて周りの事が見えるようになった。
勝手な想像で勝手な思い込みだけどいつまでも泣いてる私を助けに来てくれたんだと思う事にした。
Aは時々泣きながら話してくれて、わたしも泣きながらその話を聞いた。
最後は少し笑ってたので私も少し笑った。
また話をしてくれると嬉しいと言うのでまた来るよって行ってきた。
以上がAの話でした。
Bは何者だったのか。
Aを懲らしめるためだったのか。
なぜあの時Bの方から「聞きたい?」と言ってきたのか。
「聞きたい」と答えてたらどうなったのか。
モヤモヤはあるけど考えるとBのニコニコした笑顔が脳裏に浮かんであの時の背中から何かが吹き出す感覚が蘇る。
「霊的な物を軽んじてはいけない」というBからの戒めなのかもしれない。
以上です。
Aの許可は得てます。Bの許可は得てない。
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