とりあえずひとりにしてもらって色々考えた。
でもどうしても離婚ってのがピンとこなくて、このまま帰らないってことは転校するってこと?
ってことは友達にも会えなくなるってこと?
そんなの嫌だ。
そういう感じで「帰る」と答えた。
怒ったような顔をしてた。
で、「お母さんはもう二度と帰らないから、これ渡しといて」って父への手紙を渡されて、祖母が自宅まで送ってくれた。
車中、祖母はずっと謝っていた。
祖父母もその日の前夜初めて聞かされたらしい。
理由については大人の話だからと教えてもらえなかった。
自宅について鳩豆状態の父に、祖母が謝り倒していたが、祖母が帰ったあと手紙を読んで、その日の夜の父は見てられなかった。
だいぶ経ってから知ったが、母には男がいたらしいんだ。
要は気づかれないように幸せそうに暮らして、その日を計画してたんだろうな。
その後なんかゴタゴタしてたけど、結局離婚した。
当時の俺は、大人の事情は分からないけど母のやり方を許せないと思ってた。
それから何年か経って中学の卒業直後の春休み、突然母から電話がかかってきた。
「卒業おめでとう。お祝いしたいから遊びにこない?」って。
来てくれるなら祖母が迎えにいくとか言われたが、今頃何言ってんだ?としか思わなかった。
せっかく父と平和に暮らしてるのにってむかついた。
「あんた誰?二度と掛けてくんな」って切った。
そしたら数日後に現金書留が送られてきた。
手紙も入ってて「卒業と高校入学のお祝いだから。離れてても母は母だよ」とか書いててオエッとなった。
父は「別に受け取ってもいいぞ。俺に気を遣うな」って言ったけど
父に気を遣ってるわけじゃなくて気持ち悪いだけだから返送した。
母に男がいたことを知ったのはこの頃。
祖母と伯母が話しているのを聞いてしまったんだが、その男とは結局再婚してないから計画通りにはいかなかったってことだろう。
相手の男にも家庭があったみたいだし。
それからは一切音沙汰なく俺も大学生になったんだが、今年の春に桜の名所に彼女と出かけたとき叔父(母の弟)家族とばったり会ってしまった。
叔父はいい人だったし、久しぶりにあった従弟も大きくなっててなんとなく合流して話をしたんだが、この時も叔父からずいぶん謝られた。
どうも母実家では母を受け入れなかったらしい。
筋の通らないことを嫌う祖父が頑固に拒否したそうだ。
今はスーパーでパートをしながらアパートで独り暮らししてるらしい。
ああ、だからよりを戻したいのかもな・・・と少しおもった。
先日父が再婚。
なんかほっとしたので投下。
小五の当時からお前さんは筋の通った良い男だったんだね
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