「今日不思議な夢を見てここに来たんだ、来る用事なかったのに」
何の話かわからなくて曖昧に首をかしげてると
「これは私とあなたの縁だから言っておく
あの彼氏の後方、少し離れたところに水子がいる
まだ形もなしてない陰だけど、2人
あなたには見えないからそれはあなたの縁じゃない」
「水子は知ってる、うん、知ってる、でもちょっと頭ついてこない」
「あ、うん、私も私の妄想かもしれないと思ってる」
ふいに沈黙が流れて、電車の来訪を知らせる音楽が鳴った
彼女は「全部、あなたの縁じゃないよ」ともう一度言って挨拶もなしに去っていった
彼女は同じクラスの時、相手に何かを伝えようとするときに「あ、」と一言発してから話し始める癖があった
彼女なりに一生懸命話そうとしてる時の癖
それが引っかかって、二ヶ月後プロポーズしてきた彼氏と別れることとなった
彼氏に罵倒しまくられてデート代返せと追いかけられたんだけど、警察に頼って最短で引っ越した
彼氏が私にプロポーズする前、遊びで一夜をともにした相手が双子を妊娠し、彼氏が「俺の子じゃない」といったことを聞いた
その話を聞いた時、全身がザワっと鳥肌たって血の気がザーッと引いたのを感じた
「妊娠させたのっていつ頃?」と聞いたけど、具体的な日は解らないけど、○月の中頃と、私がクラスメイトと再開した丁度ジャストの日程だった
つまり、彼氏は浮気して私を裏切っているということだったんだと気づいた
あなたの縁じゃない、というのも、元彼は私と縁が繋がっていないから、私の結婚相手じゃない、縁が繋がっていないから、逃げようと思えば今なら逃げられるという意味もあったんだと
一本の危険な綱渡りをしてたと気づいてほんとうに怖かった
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