この場を借りて告白し懺悔させてください。
私には父と母、4つ年上の兄、2つ年上の姉、10歳年下の妹がいます。
そして家族にも話せないこととは私の妹の出生についてです。
この出生秘話は産んだ母ですら知らない、私と今は亡き祖父しか知らないことなのです。
私が小学3年生の時、とある日曜日の朝、私は歯ブラシか歯磨き粉かを捜すために洗面台の戸棚を探っていました。
すると綺麗な箱を見つけました。
その箱はベージュ色で金色の模様が縁に印刷されていました。
石鹸かなと思いましたが手に取ってみると
軽いので、私は不思議に思い箱の中を調べてみました。
中には半分の大きさの箱が2つ入っており、
さらにその中には病院でもらう薬のように数珠つなぎになったピンク色の袋が幾つも入っていました。
私は袋を一つ採り、破いて中を取り出しました。
中身は輪ゴムのようにまるめられたゴム風船のようなものでした。
そう、それはゴムだったのです。
私はまだセイ教育を受けていなかったので、その正体が何なのかまるで分かりませんでした。
私は奇妙にペタペタするなと思いながらその風船を引っ張ったり、洗面台で水を入れてふくらませたりして遊んでいました。
そこへ祖父が洗面所に入ってきました。
祖父はお酒が大好きでその日も朝酒を飲んで酔いよいの状態でした。
私は朝の挨拶を済ました後、祖父に風船を見せてこれが何なのか尋ねました。
祖父は呵々と笑い
「それはお父さんとお母さんの大事なものだからもとの場所にしまいなさい。大人になればわかるから」
と言いました。
しかし、私は子供扱いされることに反発を覚える微妙なお年頃だったので納得せず、
祖父の腕にすがり
「ねえねえ、お爺ちゃん、これ何?何なの?」としつこく聞きました。
すると祖父はニイと笑い、急に声を細めて私の耳元で囁きました。
「これはな子供を作るときのお守りだよ。
赤ちゃんが欲しいお父さんやお母さんはこれの真ん中に穴を空けて枕の下に入れておくんだ。
そうすると赤ちゃんができるんだよ。」
そして祖父は顔を洗って、また呵々と笑いながら洗面所を後にしました。
その当時、私は末っ子ということもあり両親や兄たちから可愛がられていました。
しかし、私は兄や姉のような年長者という立場にあこがれていたので、妹か弟が欲しいと常々思っていました。
そこで、私は箱の中のピンク色の袋を全部取り出し、袋の上から真ん中に安全ピンで穴を空け、両親の寝室の枕元に忍ばせました。
それからおよそ10ヶ月後、生まれてきたのが妹です。
10年ぶりに孫が生まれるという報告を母から聞いた時の祖父の引きつった顔が今でも忘れられません。
その後、セイに関する知識を得て、祖父が引きつった訳を知ったとき、私の顔も引きつりました。
妹よ、あなたは決して父さんとお母さんが失敗したり、励みすぎたから生まれてきたんじゃないからね。
私が望んだから生まれたんだからね。
親戚のおばさんの下世話な噂話に負けないでね。・・・お願い。
そしてお母さん、高齢出産にも関わらず妹をこの世に送り出してくれてありがとう。
そしてごめんなさい。
私はあなたを心から尊敬します。
長文すみませんでした。これで私の告白と懺悔を終わります。
例えどんな経緯であれ
生まれる事を望んでくれた人が居て、生を受けた妹さんは幸せだと思うよ。
頼むから妹さんを我が子のように可愛がってあげてね。
私は懺悔することはないと思うけどなあ。
イイ話じゃないか
前置きの書き方がキモい
創作にありがちだけども、ちょっとでも面白くして注目を浴びたいって自己顕示欲の塊