盗み聞きしてしまった。エリート男「（俺嫁）のこと、いまだに好きなんだ。」美人嫁「…そっか。ありがとう」男「（俺嫁）は？どう思ってるのか、教えてほしい」嫁「多分、今でも好き。あの時、好きだった。って言ったけど、過去形じゃなかった」

誰もいないけど書いてく。

俺と嫁は同じ会社の先輩後輩。
今も同じ会社で働いてる。
嫁は今日仕事だが、俺は手続き関係があって午前休で午後から仕事だから書き込んでる。

嫁とは会社内で見たことはあったが話したことはなく、可愛い新入社員が入って来たなーとは思ってたけど、付き合えるとは思ってなかった。
その頃俺は結婚を前提に付き合ってる彼女もいたし、嫁は新入社員の中でも目立って綺麗なタイプで、役員とかにも目をつけられていたしニコニコ受け答えしてて場慣れしてる感じもあったし、俺のタイプだって言うのもあって欲目かもしれないが、新入社員の中では1、2を争うくらいの外見だった。

そんな嫁と俺が話すきっかけになったのは、俺が使う会議の前に嫁が会議室を使っていて、後処理をしているところに入ってしまってからだった。

『あ、すみません、もう時間でしたか？すぐに出る準備しますね！』と言いながらテキパキ片付けをしている嫁に
「早くついただけだから大丈夫。タバコでもすってくるからゆっくり片付けしてていいよ。」と言ったら、
笑顔で『ありがとうございます！』と言われ、それからちょくちょく会社内で顔を合わせるたびに挨拶をしてくるようになった。

その後、嫁の担当の仕事の関係で俺の過去案件の資料を貸し、担当者との顔合わせに同行し、終わりがけにご飯に誘った。
もう1人後輩♂がいたので、3人で飯でも食って帰ろう。と、言う感じ。
後輩♂は、用事があるとかなんとか言って帰ってしまい、嫁は乗り気だったので飲んで帰ることにした。

話しているうちに、嫁は付き合っている人がいて、その人と結婚の話になっているが遠距離恋愛であること、地元に帰って欲しいと言われていることを愚痴っぽく言ってきて、うまくいけばいいな、と思っていた。

まぁ、俺はと言うと、彼女を待たせすぎて振られてしまっていたんだが。

そんなある日、嫁が彼氏と別れた。と言う噂が広まってきた。
嫁はすごくモテるタイプだったからか、牽制のためか彼氏がいることを公言していたから、別れたと言う話がどこからか伝わるのも早かった。
嫁と定期的に飲むようになってた俺は、もしかして…？？と言う気持ちもあったが、いつも通り接していた。

そして、次に飲みに誘われた時に、その話題を振ってみた。
「彼氏と別れたって噂になってるよ。」
『なんで私の噂そんなすぐに伝わるんですかねー？？会話の流れで答えたらいつのまにかみんな知ってました。』
「なんかあったの？大丈夫？」
『大丈夫です。笑』
という感じで。

嫁は、遠距離に甘えて連絡が疎かになった自分のせいだから別れたことに後悔はしていないけど、自分の噂がどこにいてもすぐに広まってしまってしんどいから早く結婚したい。と、言っていた。

冗談っぽく、
「俺なんかどう？最短距離で結婚できるよ。笑」
と言うと、俺は結婚したくなくて独り身なんだと思っていたらしく、本気でびっくりされた。
それで、
『ちょっと本気で考えさせてください。って言うか、本気で言ってました？冗談と捉えた方がいいですか？』と言われたので、本気で考えてもらえる方に賭けて、
「〇〇さんが嫌じゃなければ、本気と捉えて欲しい。嫌なら冗談と思ってくれれば今後一切そんなことは言わない。」と言った。
『じゃあ、本気で考えるので、一度デートでもしませんか？』と言ってきたので、デートの約束をして解散した。

デートは2週間後。
その間ラインのやりとりをしたりしながら過ごし、好みを探りながらデートの計画を練った。

そしてデート当日。
俺の家と彼女の家の中間の彼女の家寄りの駅で待ち合わせをし、観光地巡りをした。
嫁は社会人になって出てきてるので、まだこれといった観光地も行ったことがないと言っていたから。
一定の距離を保って歩いていたが、嫁は興味があるものの近くを通ると歩くのが遅くなるようで（本人に自覚はない）すぐに見失いそうになるので、服の端を持たせることにした。

そんで、付き合いたてのカップルのようなデートをして、帰りに、
「付き合ってみる？」と言うと、
『お願いします。』と言われ、付き合うことになった。

それから、半年くらい付き合い、すぐにプロポーズして、結婚した。
嫁は可愛いし、色々なところで名前が挙がっていてほんとに社内の綺麗所の扱いだったし、俺は嫁と一緒にいればいるほど好きになっていき、離れるなんて想像ができないくらいだったから、早く結婚して俺のものだと周知したかった。
一応、社内恋愛なので内緒にしていたし。

そして、今に至る。のだが。

嫁には好きな人がいるようだ。

どうやら会社の同僚らしい。
俺と付き合う前にお互い好き合っていたが、タイミングが悪く付き合うに至らなかったらしい。
と、言うのも、嫁が同僚に言い寄られているのを発見してしまった。

たまたま、同僚が嫁の支店に来ていたようで、会議室の2人の会話をタイミング悪く聞いてしまった。
その部屋は1部屋を間仕切りで分けている部屋なので、隣の部屋から会話が聞こえるようになっていた。（扉は各会議室にある）
俺は隣の部屋で資料をまとめていた。
（俺の会社は申請しないと会議室が使えないが、たまたま空いていたので次の時間まで申請せずに貸してもらった。）

『話って、なに？どの案件？私にわかるかわからないけどとりあえず聞くよー。』
嫁の声が聞こえた。

［個人的な話。〇〇（嫁の旧姓）のこと、いまだに好きなんだ。］
『…そっか。ありがとう。』
［〇〇は？どう思ってるのか、教えてほしい。］
『多分、今でも好き。あの時、好きだった。って言ったけど、過去形じゃなかった。今でもそうだと思う。けど、夫のことも、子のことも裏切る気は無いし、2人のことが大切で、これからもそれは変わらないよ。〇〇（同僚の苗字）には幸せになってほしいから、これはすぐ忘れてほしい。昔、両思いの人がいた。って言う、いい思い出に出来ない？』
［ずっと、後悔してた。どうして、すぐに好きだ。って言えなかったか、付き合おうって言ってたら変わってたのか。お前のことが好きなんだよ…思い出になるくらいならもうしてる。］
『それ、結婚決まる前に言ってくれてたら変わったかもね。
でも、それは今じゃ無いから。ごめん。余計なことを言ってしまったのかもしれない。でも、なにも出来ないから。』
［…。］
『もう、仕事あるから、行くね。仕事、無理しないようにね。大変な仕事してるんだから、たまにはゆっくり休むんよ。じゃあ、元気な姿見れてよかった。元気でね。』
バタン

嫁を好きと言っていた同僚は、今まで俺は見たことがなかったが、嫁と同じくらいに入社したやつだと思う。
特別、カッコいいやつではなかったが、嫁が唯一好きだと言っていた芸能人に少し似ていた。
その芸能人も、特にかっこよくは無いけど、嫁の中では、ほんとに好きなタイプらしい。
俺とは何一つ似ていない。

俺は、あー、嫁は本気であいつが好きなんだなーって思ってしまった。
嫁が心配する言葉を言うのは、あまり無いことで、しかも好きって言う言葉は子か特別な女友達にしか使っているのを見たことがない。
俺に対してもたまにしか言わない。
でも、その同僚にはすんなり言っていた。
過去の言葉を否定して、その頃からずっと変わらず好きと言っていた。

俺は、嫁を解放してあげたほうが良いのだろうか。
俺が身を引けば、嫁はあいつと一緒になれるんだろうか。
同僚は、うちの会社の花形部門で激務に追われているが、出世コースにいるらしい。
会議でも何度か名前が挙がるのを聞いたことがある。
見たのは初めてだったが。

嫁の、あんな苦しそうな声は初めて聞いたんだ。
嫁は苦しいくらい好きなやつを俺と子のために諦めるんだと思う。

あいつは不倫とかできるタイプの人間じゃない。
前にそんな会話になった時に、そんな人が人の親だなんて信じられない。子が可哀想だよ。と言っていた。
潔癖ではないが、自分はそうなりたくない。と言っていた。
俺は、どうしたら良いんだ。
じゃあ、仕事に行ってくる。